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ES9038Q2MのIV変換を考えますた

宣伝文句にはDNR=129dB(IHF-A)、THD+N=-120dBとうたわれています。
その条件は電流出力モードらしいですな。という事は逆に、電圧出力はイマイチ?




データシートを探したんですが、ちょっと変なpdfが見つかりまして・・・
赤字でConfidential(機密)と書いてあります。
そのまんま掲載するのはナニなのでボカしを入れました。
ES9038Q2MのIV変換を考えますた_e0298562_12402433.jpg
Pawpawって何だらほえ? ポーポー? 果物の?
パーパー? 当方も脳天パーの部類かも知れませんが意味不明ですな。(爆)

スペック項目ですが、ANALOG PERFORMANCEの表を探しまして、
DYNAMIC PERFORMANCEの項を見ます。
すると、
DNR (differential current mode)
THD+N (differential current mode) と括弧書きがあります。
スペック的には電流出力の時に性能が発揮されるのかも知れませんな。

電圧出力の場合はこの雑音や歪率にはならない?
電圧出力で使うと性能がイマイチという事?

という事かも知れませんので、
ES9038Q2M基板は電流出力モードに改造しようと思いました。
つまり現状のOP-AMP回路を取っ払って、外付けでIV変換回路を組み付けます。










【電流出力モードの疑問】
上図のデータシートから、
*出力インピ
 Output impedance (RDAC) : 774±11% Ω

*そして電圧出力時のフルスケール振幅と中点電圧
 Voltage mode output range (VOPP) : 0.906 x AVCC Vp-p
    AVCCは3.3Vなので
    VOPP=0.906 x 3.3V
    VOPP=2.9898V
 Voltage mode output offset (VOCM) : AVCC / 2 V
    これは3.3/2=1.65Vですな。

*電流出力時のフルスケール電流振幅
 Current mode output range : 1000 x VOPP / RDAC mAp-p
    1000 x 2.9898V / 774Ω ≒ 3.86mAp-p

ここまではOKなんですが、次が疑問でした。

*電流モード時のオフセット電流が変な値です。
 条件として、Bipolar zero out to virtual ground at voltage VG (V)
ES9038Q2MのIV変換を考えますた_e0298562_17005729.png
 Current mode output offset : 1000 x (VOPP - VG) / RDAC

 バーチャルGNDが1.65Vなら、VGは0V ?
     オフセット=1000 x (2.9898V-0V) / 774Ω ≒ 3.86mA ?
 それともバーチャルGNDは1.65Vそのまま?
     オフセット=1000 x (2.9898V-1.65V) / 774Ω ≒ 1.73mA ?

 ??中点電圧と同じバーチャルGNDなのに3.86mA or1.73mAが流れる?

電圧出力時と整合性が取れないですな。よく判りません。
電流オフセットがゼロmAになる条件は? VGが2.9898Vの時だけですか?
     オフセット=1000 x (2.9898V-2.9898V) / 774Ω = 0mA ?

I2Cから電流モードに切り替え設定するフラグも無いからこのままで?
外部回路だけでこんな条件を満たすってか?
へ〜、そりゃ凄いですなー。(爆)

等価回路が全く想像できませんなぁ〜。
まあ当方がバカだから理解できないんでしょう。(爆)










【実験から等価回路を推測】
うそくせぇ!(爆)
という事で、
信じられねぇんで実験してみる事にしたんで御座んすよ。
下図の様にES9038Q2Mの出力を抵抗でGNDに接続したりして確認。
ES9038Q2MのIV変換を考えますた_e0298562_13405896.jpg

すると下図の結果になっちまいやした。

ES9038Q2MのIV変換を考えますた_e0298562_14422751.png
*ES9038Q2Mの出力端子を1kΩで分圧して、3.3Vのちょうど半分にします。
 すると中点電位ですな。その時には電流ゼロ。
 振幅を振ると1.1Vp-pの電流は入ったり出たりのバイポーラ動作。
*68ΩでGNDにシャントすると上図の波形。

この結果から推測するに、
どう考えても下図の様な等価回路になっちゃうんですが?
アホですか?
ES9038Q2MのIV変換を考えますた_e0298562_13415552.png
嘘をばらまくんじゃねーよ!
データシートは絶対なんだよ!
とか何とか?

当方の入手品はチャイナ製の偽物だから異常だとか、
当方の基板は壊れているとか、
そう判断する頭の足りない人も出現するかも知れません。
当ブログ運営の過去の経験からそう予想されます。(爆)
🐌<全然無視無視固く無理〜♪(爆)
ちんちんびろんびろ〜〜ん!

まじめな皆さんは学術的な正しいサイトに移動しよう!
こんなヘンタイなブログを見てたら頭がおかしくなっちゃうよ!


えー、さて、
電圧出力モードでは下図ですな。実物と合ってます。
下図はOP-AMPをプラマイ電源で動作させた場合です。
ES9038Q2MのIV変換を考えますた_e0298562_14033429.png
ふつうのIV変換を用いると下図の動作となる。
自然な動作ですな。
ES9038Q2MのIV変換を考えますた_e0298562_14033965.png
物理現象はリアルな実態なので嘘がありません。
第三者が再現して毎度同じ結果が得られれば真実という事でしょう。

ちなみに等価回路を間違って解釈している人も過去に出現しました。
等価回路は、同一の回路じゃなくて、等価な回路です。
あくまでも動作が同じに見えるというだけの、仮の回路です。
ICの中の回路は等価回路とは全く異なります。
混同するんじゃねーよ。










【ES9038Q2M基板改造の構想】
以上の感じで電流出力の動作を推測する事ができました。
それを元に下図の様な改造を考えてみようと思います。
ES9038Q2MのIV変換を考えますた_e0298562_14561526.png
*この構成は2013年に投稿した旧DACの構成とほぼ同じです。
 こういう接続で使用するアイデアは当方のオリジナル案件です。
*当方はUSB-DACとしての使用は考えておりません。
 DSDの音質も虚構の広がり感と判断していますので無しと致します。
*DACのGND電位をアナログ+VCC電圧に接続して使います。
 SPDIF同軸入力端子の電位をGNDに落とすためパルストランスを追加します。
 筐体の外に出たRCAジャックや電源などをショートさせても問題ない構成です。
 (デジタルアイソレータも同様の意味合い。)
*IV変換回路も旧DACと似た様なディスクリート回路を考えます。










【最初に気づいた問題点】
ディスクリートIV変換ですが、
ES9038Q2Mを使用する場合の問題点に気づきました。
例として、
下図の様に一石IV変換でシミュレーションしますと歪が悪いです。
この回路では実際の動作も歪率は悪いでしょう。
ES9038Q2MのIV変換を考えますた_e0298562_15095175.png

この原因はズバリ最小電流が0.2mAしか無く、
トランジスタの動作点として直線性の悪い領域という事でしょう。

つまり対策として、バイアス電流を追加してやる必要があると思うのです。
下図ですな。
ES9038Q2MのIV変換を考えますた_e0298562_15095451.png
上図の回路は簡易的に抵抗のみのバイアス電流ですが、
やはり定電流回路を使った方が良いと思います。
電流値は実験によって確認してから決定する必要があるでしょう。










【カレントミラー式】
今回のES9038Q2M基板では一石IV変換は使わずに、
差動出力を合成して構成しようと思います。
普通に考えて構成すると下図の方式になるでしょう。
ES9038Q2MのIV変換を考えますた_e0298562_15163917.png
こういう凝ったウィルソン型でも歪率はそんなに良くありません。
カレントミラーとしての性能が不十分だからです。
ま〜しかし、
音質に影響が無い歪なら良いではありませんか。その辺は好みでしょう。

カレントミラー回路を更に高性能に対策する方法もあります。
ですが今回は、R10の抵抗値を半分以下くらいに小さくしたいので、
高性能カレントミラー回路は使わないで構成しようと思いました。
ES9038Q2MのIV変換回路には非採用と致しました。

当方オリジナルの高性能ミラー回路はマル秘です。非公開。(爆)
バイポーラTrだけでミラー回路を高性能化するのは無理かもよ?(爆)









【完全対称回路】
完全対称回路ですが、うまく調整すれば可能かも知れません。
ES9038Q2MのIV変換を考えますた_e0298562_15164464.png
*カレントミラーと似た様な歪が生じますが、
 Q5の歪はQ3の歪で互いに対称補完動作という事で、
 歪が打ち消して改善される? かも知れません。理想通りなら。(爆)
*R6の印加電圧はおおよそR7の印加電圧になるので、
 R6=R7ならば、DACの出力電流はそのままR10でIV変換となります。
 R6 / 2=R7ならば、DACの出力電流を倍に増幅できます。
*一番の問題は上図の様にオフセットが出てしまう事ですな。
 R6〜R9のどれかを調整すればオフセットをゼロに調整できます。
 しかしそれで完全に対称動作しているかどうか?
 さ〜てどうだんべ?(爆)

完全対称と称していますが、完全な対称じゃ無いかも?










【ほぼ完全対称回路】
対称動作がほぼ保たれる回路「ほぼ完全対称」回路です。(爆)
Q4,Q6を追加した事による下図の回路は当方オリジナルの回路です。
ES9038Q2MのIV変換を考えますた_e0298562_15164719.png
*Q3のVBEはQ4のVBEでほぼ補償されますので、
 電流値もほぼ抵抗比の計算通りとなります。
 温度補償も兼ねているので安定。
*最適な定数は実験しながら詰めていく必要があります。

今回のES9038Q2M基板は「ほぼ完全対称」回路で改造してみようと思います。









【ほぼ完全対称回路の電圧配分】
飽和しない電圧設定をしないといけません。
上図の定数の狙いですが、下図の様にちょうど良い電圧配分を考えました。
ES9038Q2MのIV変換を考えますた_e0298562_15365943.png
そして、
各素子の印加電圧は下図の様に対称で動作しているという訳ですな。
命名通りに、ほぼ完全対称。
ES9038Q2MのIV変換を考えますた_e0298562_15370712.png








【各部の電圧と電流】
直流の動作点を見てみました。
ES9038Q2MのIV変換を考えますた_e0298562_15390735.png
オフセットが出た場合はR9に高抵抗をパラって微調整が可能です。
しかしR16とR17の箇所で調整した方が良いかもしれません。

ES9038Q2MのIV変換を考えますた_e0298562_15391039.png
検討中ですからまだまだです。
突っ込んだ実験もしておりませんし。

基本的にはこの延長線上で考えて行きますが、
性能向上を狙って徐々に回路変更すると思います。







さむいですし。師走で年始で決算で色々ありますし。
続きは来年の春以降ですな。(爆)

自己責任にてお願いします。
以上です。















除霊のマントラ「ち・・・・・〜ん」ですが、けっこう効くと思います。


by ca3080 | 2018-12-10 04:52 | オーディオ&電子工作
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