DEPP-Amp その①古典回路

歴史的な古典的な回路なので参考書などに載っています。
不明な方は教科書などでお調べください。





今回は趣味として、DEPPを半導体で考えてみようと思います。
イけそうなら実験してみようと思います。

この回路は真空管回路などにしょうがなく使われていますが、
半導体回路では使われませんな。性能が悪くコスパも悪いですからね。
つまり半導体を使ったDEPP回路には意味が無いんですよ。(爆)

当記事も意味が無い。
ただの遊び、趣味です。

当記事を進めていくうちに一般的なDEPPに対し相違点が生じるかも知れません。
よって当ブログのDEPPは、Dead Ended Poor Panicです。(爆)
バカだから放っといて頂戴!








2017.05.24 すんませんやはりバカです。憑かれてるんかも?(爆)
p-p(peak to peak)で書いちゃってましたが間違いですよ!
全部の箇所をpeakに直しました。

そういや前にも同じ間違えをしてますな。バカは治らないんですよ。








【教科書的なDEPP回路】
こんな回路です。教科書などに載っています。
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駄目そうな回路ですな。
駄目すぎて半導体回路では使われる事はありません。
とりあえずはシミュレーションしてみます。
e0298562_06291962.png
ありえない値ではそれこそ意味がありませんな。
トランスの仕様は手持ちのサンスイトランスを当てはめてみました。
巻線の直流抵抗およびインダクタンスを実測して、その数値を入れてみました。

えーまーしかし、
バイポーラTrのベース電位がゼロバイアスですな。
入力信号が0.55V〜0.65Vくらいまで上がらないとQ1とQ2は動かない。

回路の左端にある信号源(IN)に1Vpeakの正弦波を突っ込んでみますと、
Q1とQ2のベース波形(VB1)と(VB2)はこうなります。
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不動作領域がデカ過ぎですな。ほぼ動かないアンプ。(爆)
しかし動作する領域もあります。
Q1とQ2のコレクタ波形はこうなります。酷いですな。
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Q1とQ2のコレクタ電圧は、無信号時には電源電圧(15V)になります。
出力トランスの直流抵抗は6.5Ωと低いので、電圧降下もほとんどありません。
コレクタ波形は電源電圧を中心にプラマイに振れるという訳ですな。

さて、トランスの2次側波形はどうなっているでしょう?
こんな感じ?
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増幅はしてますな。(爆)
入力(IN)の1Vpeakが増幅されて、出力(OUT)には5.5Vpeakの波形が出てきました。
しかも負荷抵抗R3の32Ωを駆動しているので電力増幅しています。
OK上出来!(爆)










【クロスオーバー歪み対策】
これも本に載っていると思います。
バイポーラTrのベース電圧を補償するバイアスを流してやります。
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D1とR7を追加しました。
これでベース電圧(VB1)と(VB2)は0.63Vになりました。

ついでにまだ不安定らしく発振してしまうためC1の100pFを追加しました。

さてベース電圧(VB1)と(VB2)がどうなったか見てみます。
上記と同様に(IN)には1Vpeakを印加するのではなく、
ちょっと絞って0.2Vpeakと致します。不動作領域が無いから0.2Vでも動く?
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だいたい波形の真ん中くらいの所が0.63Vにかさ上げされましたな。

んじゃコレクタ波形はどうなったん?
うーんまあ、
改善はしてます!(爆)
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ちょっと個性的。

そして出力はこうなります。
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MOSFETのクロスオーバー歪みみたいな曲がり具合ですな。
ベース電圧0.63Vを補償してやって、この状態です。
いやもうちょっと何とかなるんじゃない?










【バイアス電流を増やす】
検討不足という事なんですよ。
この回路のR7が10kΩという設定がテキトー過ぎたんです。
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R7を色々と変更してみますと波形に変化があります。
10kΩから徐々に減らして、100Ωまで変えてみますと、
出力波形はこうなります。
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1kΩにすればOKみたいですが、
Q1とQ2のhfeやらVBEの曲がり具合やら負荷電流やら色々絡んでます。
パラメーターが多すぎて、計算で求めるのは難しそうです。

教科書的な方法としてはこんな所でした。









【教科書的なDEPPの問題点】
しかし問題点があります。
Q1、Q2が発熱しますとVBE電圧が下がってきます。
それに合わせてVBEバイアス電圧も下げなくてはいけません。
つまり、
Q1、Q2に対してD1を熱結合させる必要があります。
これはSEPP-Ampのバイアス回路と同じ考えですな。

そしてもう一つの問題点です。
きれいな正弦波になる様にR7を1kΩにしましたが、
その時には無信号時電流も多目に流れているんですよ。
こんな感じでした。
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38.446mAです。
あれっ?ちょっと多い様な気がするんですが?

32Ω負荷時の出力振幅が3Vpeak以上あったじゃない?
計算が面倒なので3.2Vpeakとしますがな。
しかしトランスの1次側、つまりQ1およびQ2のコレクタ側では
15Vpeakくらい振れてましたよね?

つまり出力側のピーク電流は
ピーク電流 = 3.2V ÷ 32Ω = 100mA

1次側のピーク電流は
100mA x(3.2Vpeak ÷ 15Vpeak)≒21.3mA

増幅に使う電流は簡易計算からしますと21.3mA程度でOKな筈ですが、
38.446mA流れてました。
つまりドバ〜ッと流さないと綺麗な波形になりません。

教科書的な回路ではこれが限界でしょう。
B級アンプのつもりでしたが、A級アンプ以上の電流を食う回路でした。(爆)
まだまだ駄目ですな。









【アイドル電流を減らす】
さて、何で電流がバカバカ流れていたんでしょうか?
トランジスタの電流増幅率が足りないんですよ!

という事で、R7を10kΩに戻しまして、
トランジスタを増やしてダーリントン接続に致します。
バイアス電圧も補償するためにD2も追加します。
e0298562_07460492.png
アイドル電流は減ったかな?
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まあこんな程度でしょう。

それでは波形の方はどうでしょう?
出力を見てみました。
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およよ?
状態がガラッと変わっちゃったな!

ダーリントン接続にしたら増幅し過ぎですよ。
波形も曲がってますな。
どうしたら良かんべ?












【ダーリントン接続の増幅率を下げる】
まあこれには電流帰還(エミッタ帰還)の抵抗を追加すればOKですな。
あまり小さい値でも難しいですし、大きい値では増幅率も落ち過ぎます。
という所で10Ωを追加しました。
e0298562_07534950.png
R9、R10の10Ωを追加します。
そして10Ωの電圧降下分を補償するためにD3を追加しました。
D3はショットキーダイオードを使いまして0.2Vだけ電位を上げました。

これによってQ1、Q2のコレクタ電流は、単純計算ですと、
0.2V÷10Ω=20mA となります。
少し多いですが様子を見てみましょう。


んー、無信号時の電流ですが、ほぼ計算通りで18.149mAですな。
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波形はこうなりました。
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あーららら、
曲がってるな。

しかし利得は抑えられましたね。

んー、この歪みを改善するにはやっぱり?
アイドル電流を増やすんかいな?

まったく教科書通りの回路を何とかしようと思っても難しいですな。











【歪みの根本対策】
当方の頭では、B級動作じゃうまく出来そうにありません。
もうあきらめてA級にしちゃえ!

と言いますか、初めからA級動作で考え直して設計すれば良いんですよ。
つまりこうなります。
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Q1とQ2のエミッタ電圧を1.1Vに上げます。
これはつまり入力信号の振幅を1Vpeakで想定しますと、
1.1Vを中心に2.1V〜0.1Vまで振幅が振れまして、この間ずっとOFFしません。
OFFしないからA級です。

次にバイアス回路ですが、
温度上昇によってトランジスタのVBEが下がっても大した問題は生じません。
R9、R10の印加電圧が0.2V〜0.3V程度アップするだけですな?
つまり、バイアス回路のD1、D2をQ1、Q2へ熱結合する必要は無いんです。
熱暴走しないのは非常にメリットが大きいですな。

そしてコレクタ電流の値ですが、ちょっと多目にして様子を見てみます。
1.1V ÷ 33Ω ≒ 33mA

入力信号(IN)、ベース波形(VB1)、エミッタ波形はこうなります。
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Q1のエミッタ波形はゼロにはなりませんな。

コレクタ波形も見てみます。
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おっ?
かなり良さそうな正弦波になってますよ?

B級で考えていた時は惨敗でしたが、
さすがにA級動作で設計し直すと全く違って良い感じですな。

出力波形はこんな感じ。
e0298562_14311176.png
これならイケそうですな。
アイドル電流の想定は33mA程度で収まる様です。

B級で考えていた時のアイドル電流は一体何だったんでしょうか?
20mA以上、38.446mAも流さないと綺麗な波形にはなりませんでした。











【まだまだ問題点がある】
まあここまで来れば実際に作って実験しても良いでしょう。
しかし当方はまだ駄目だと思っています。
周波数特性が駄目ですよ。
こんな感じになります。
e0298562_08252304.png
400kHzあたりにピークがあるのは簡単に対処が可能ですが、
200Hzあたりから低域が下がっているのが駄目ですな。
このままでも音は出ますが、ちょっと下がりすぎ。

しかし、Q4のベース部分(VB1)を見ても既に低域は下がってますよ?
まあこれは入力トランスの特性ですな。
e0298562_08281713.png
という事でして、
課題ですが、
入力トランスを削除した〜い!

そして更に、低域の周波数特性を改善した〜い!







今回はここまで。
たぶん続くと思います。













当方は一切のサポートを致しません。だって古典回路だもん。(爆)
古典回路なので誰でも自由に自己責任の範囲にてご利用可能です。
しかし当記事の定数や部品のまま使うのではなく、自分で設計して下さい。
解らない所があったら参考書を見れば載ってますよ。
そして皆さんが設計されたものに関して当方は一切関知致しません。(爆)

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by ca3080 | 2017-05-19 08:43 | 電子工作(一般)
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