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低融点ハンダの実験(部品外し)

リワークや改造には部品外しの作業がつきものです。



【部品外し概論】
部品外しは面倒ですな。ソルダーウィックです。
蠅取り紙…
じゃなくて吸取り網。(爆)

それ以外には空気による吸引方式ですな。色々な半田吸取り器が売られています。
スッポン、直球で来ました!
はんだシュッ太郎、なかなか高度で恥的なレベルです。(爆)
すばらしい名称です。
性能は知らん。

これら以外の方法としては、鉛ハンダを溶かしながら部品を外すやり方があります。
溶けたところをピンセットで持ち上げて外すんですな。
鉛フリーハンダは融点が217℃程度ですが、鉛ハンダなら183℃で溶けますので、
鉛ハンダを流し込めば融点が下がって作業しやすいです。
だから鉛ハンダから抜けられないのね。

色々な手段がありますが、結局は基板を痛めてしまう事もあります。
スルーメッキがスッポリ剥がれちゃったり。
皆さんも色々頑張ってるんでしょうね。







【低融点ハンダという手段】
そんな訳で、低融点ハンダです。部品の取り外しが非常に楽になります。
こんなのが売っている様です。
・サンハヤト表面実装部品取外しキット SMD-21
・特殊ハンダ(一般タイプ) SMD-H05
・おそらく同じような組成の低融点金属インゴット  カドミウム入り合金か?

インジウムが入っているから高いのかも? レアメタルみたいですし。
融点が60〜70℃程度まで下がるのはインジウムくらいしか無さそうです。

温度を妥協すれば多少は安価になるんでしょうか?
融点が90℃ならホワイトメタルの細工を接合する用途のハンダがあります。
低温ハンダ

組成を調べたら基板のハンダと同じようなものがあります。
何かイケそうな感じなので、勉強がてらに実験してみる事にしました。







【低融点合金を調べる】
低融点合金の組成が詳しく書いてあるページを見つけました→鋳物用語解説
この中から電子回路基板に使えそうな物という事で、
インジウムは高価なので却下。水銀とカドミウムは有毒なので却下。
鉛はしょうがないですな。亜鉛とアンチモンは無しで選択が可能ですな。
使えそうな物を下表にまとめてみました。
低融点ハンダの実験(部品外し)_e0298562_756205.png

100℃くらいにはなる様ですな。

これを作ってみる訳ですが、
ビスマスはしょうがないとして錫とか鉛は市販のハンダで置き換えできないの?
と考えました。
棒グラフにすると判り易いと思います。
低融点ハンダの実験(部品外し)_e0298562_7592158.png

市販のハンダにビスマスを混合するだけで可能みたいです。

実際に使用する時には、基板に付いてるハンダが低融点合金に混ざります。
鉛フリーハンダは錫の割合が90%以上なので、錫の割合が高くなると言う事です。
よって鉛を多目に入れておけば錫が増えても大丈夫でしょう。
45/55ハンダを使う事にします。
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ビスマスは「ビスマス結晶」を作るのが流行らしく入手も容易かも知れません。
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こういう無粋な物じゃなくて、
綺麗な結晶の小さい物が比較的安価に出回ってますな。







【低融点合金を作る】
まずはビスマスインゴットを小さく砕きます。
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ハンマーで割る必要はありませんでした。ニッパーで切れば良かったんですな。

適度な量のビスマスに対して、錫鉛ハンダを同じ量だけ用意します。
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錫鉛ハンダは45/55なので、45÷2=22.5%、55÷2=27.5%、
錫22.5%、鉛27.5%、ビスマス50%ですな。
ローズ合金とダルセ合金の中間くらいです。

これをハンダゴテで融かしました。
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なかなか固まらなくなったので融点が下がった様です。
もっと長細く固めた方が良かったな。

ニッパで切って使おうと思います。
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【DIP-ICを外してみんべ】
まずは両面スルー基板のDIP-ICからやってみました。
ジャンク基板です。
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低融点ハンダを盛って溶かしながら部品を引っ張ります。
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けっこう楽にスポッと行ったね。
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吸い取り線で綺麗にしました。吸い取るのも楽です。
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吸い取り線でコスってレジストが剥がれちゃったヨヨヨ。
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ビスマスが残っていると強度的に割れ易いみたいですな。
不純物になるのでオーディオ的にも怪しいですな。
気になる場合はこの後に普通のハンダを流し込んでもう一回吸い取ればOKか?
それでビスマスの残留分も薄まるでしょう。

外したICです。
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CMOSのD-FFですな。






【QFPを外してみんべ】
今度はQFPです。 多層板のジャンクですな。
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これに低融点ハンダを乗せまして、フラックスも塗っておきます。
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ハンダゴテ1本だけで溶融中。
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えいっ! (爆)
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ハンダが固まりにくいので、
難しいという程ではありませんでした。

外してクリーニングしたQFP-ICです。足曲がりもほとんど無し。
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基板の損傷も無さそうです。レジストがちょっと剥がれたか?
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成功みたいですな。
低融点ハンダはけっこう使えそうです。







【カスを再利用】
部品外しに使い終わった低融点ハンダですが、
捨てずに集めて再度また融かしてみました。
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ホットプレートの上にアルミホイルを敷いて、
低融点ハンダのカスと、水を同時に温めてみました。
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水の方は沸騰して100℃くらいですな。
同時に低融点ハンダも融けています。融点も変わらず100℃でした。

ホットプレートの電源をOFFにしても、なかなか固まりません。
まあカスも集めて何回も使えるという事ですな。
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自作の低融点ハンダでした。
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記事の内容は鵜呑みにせずご自身で実験評価して下さい。
そして当方はめんどくさいので一切サポート致しません。(爆)

以上です。



















決めたお前にスッポン勝負
パーツにこだわるコテ男
熱い心もスルーに泣いて
とどかぬ思いに足もげる
シュコーン! (爆)


ヤニの煙に涙を拭けば
夜霧にかすむフラックス
焼かれ焦がれて夢果てて
みれん吸取り網タイツ
シュコーン! (爆)





名作。(爆)














2017.12.29追記。
9月から告知致しておりましたが、予定通りコメント蘭を削除させて頂きました。
今までコメント頂きました皆様には感謝申し上げます。ありがとうございました。




by ca3080 | 2016-06-12 08:59 | 修理等 節約生活
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