TPA2006D1と似た様なPAM8012。こっちはどうなんでしょう?
ただし基板サイズが極小なので改造困難です。お勧めできません。(爆) これも秋月で扱っている物です。PAM8012使用2ワットD級アンプモジュール TPA2006D1とは違いがあるのかな? 【表向きのちがい】 販売のうたい文句が違いますな。PAM8012は2Wとうたわれています。 数字だけ見て1.2Wに対して2W出るからPAM8012の方が良い! まさかそんな事を言う回路屋さんはいないでしょう。 同一条件で比較してみますと、 TPA2006D1 出力1.2W (1%歪)@5V、8Ω負荷。 PAM8012 出力1W (1%歪)@5V、8Ω負荷。 8Ω負荷ならばTPA2006D1の方が多少は出力が出る様です。 まあ両者はほとんど同じくらいでしょう。(爆) 4Ω負荷は? TPA2006D1 出力1.2W (1%歪)@4.2V、4Ω負荷。←グラフから読み取り PAM8012 出力2W (1%歪)@5V、4Ω負荷。 TPA2006D1は4Ω負荷が怪しいですな。具体的には保護動作してしまう様です。 スピーカーが4Ωの時はPAM8012の恩恵が得られるという事ですな。 他には推奨使用時の利得が違います。 TPA2006D1 9.5dB (3倍) PAM8012 18dB (8倍) それ以外は同じみたいですな。 5V単電源でモノラルD級アンプという、そういう商品ジャンルなんでしょう。 【改造計画】 まずは高音質化ですが、PAM8012基板の中だけをいじろうと思います。 外側はTPA2006D1で作ったベース基板を使います。 こんな感じですな。 この改造で、どうして高音質化できちゃうのか? まあいいから。(爆) 過去記事にしつこい程に記載しています。(爆) そしてベース基板にブッ刺せる様に、TPA2006D1基板とピンコンパチにします。 こうすればTPA2006D1基板と差し替えて簡単に試す事ができます。 比較も楽ですな。 TPA2006D1の前回の投稿ですが、「入力抵抗の場所」をベース基板側にせずに、 TPA2006D1キット基板側にすると記載しましたが、コレが理由です。 【基板を見てみる】 まずは基板を把握します。推測ですがたぶん合っています。(爆) ユニバーサル基板の上に置いて写真を撮りましたが、小さいですな。 小さいコンデンサは1005サイズですな。ヘッドバンド型の拡大鏡が必要です。 *VREFのコンデンサですが、DACのVrefは音質的な影響が大きい箇所ですな。 DACじゃないけど気になるので部品交換の対象としました。根拠はそれだけ。 *PowerLimitのコンデンサは特に音質には関係無さそうなので現状とします。 *詳しくは秋月キットを買った時に付いてくる説明書を見て下さい。 データシートもご参照。 【部品の外しと、実装図】 部品を外します。この小さい基板ですが、裏側に両面テープを貼ったりして、 固定して作業しないと非常にやりにくいです。 *入力カップリングCの部分をワイアでショートする必要がありますが、 写真の様なより線の1本だけを使用して配線します。 *よく見たら日立電線のLC-OFCじゃないかこれは! ビニル被覆なので音が悪く、こんな用途にしか使えません。(爆) 実装図です。ランドが1005用なので厳しいですな。キてます! 【いざ部品装着!】 き…キてます! こっ…これは…キてます! エナメル線が太い? 気のせいです。(爆) 裏側と、横から見た図。 【丸ピン装着】 ここまでの改造でずいぶんと生体エネルギーを消耗した気がします。(爆) まずは丸ピンを取り付ける位置ですな。うまい箇所がありました。 下図の様に丸ピンを加工すればうまくいきます。 *8ピンじゃなくて7ピンなのは当方がケチだから。(爆) *丸ピンの足曲げは優しくゆっくり行います。一気に曲げると折れちゃいます。 このまま取り付けます。 チャチャッと半田して、配線を追加すれば完成。 あと1個あるんですよ。(爆) 【動作確認】 一応はショートなど無い事を確認しまして、イモ半田なども拡大鏡で要チェック。 ベース基板にブッ刺します。改造して付けた部品がモゲ落ちない様に注意!(爆) ベース基板は過去記事ご参照。→TPA2006D1 さてと火入れしてみんべ。 正弦波1kHzを入力。ATTを絞った状態から、段々とレベルを上げてみました。 何だこら? ある程度の所から音量が上がんねーでぇ! エフェクターのコンプレッサー? 秋月のページにはそんな説明は無いですよ。 う〜ん、キット付属の取扱説明書には小さく書いてありました。ヤラレタ。 アンチサチュレーション機能だって。 しょうがあんめぇ。 今度はATTを一気に絞ってみました。 ふ〜ん? エフェクターのコンプレッサーとは動作が違う様ですな。 小音量から一気にドカンと大きな音を出そうとすれば影響があるかも? 瞬時に利得が下がる訳ですな。 その代わり波形クリップしませんから、サチリ音から開放される訳ですな。 利得が抑えられるという事なので、入出力特性を測定してみました。 なるほどね。自動利得調整という風に考える? 波形クリップしないという訳ですから、歪特性も見てみました。 波形クリップの所以外ではTPA2006D1との差はあまり無い様です。 似た様な特性ですな。 どうすんべ? 【アンチサチュレーション解除の設定】 ひとまずは現状で音質確認してみますが、 アンチサチュレーションをOFFにする設定を調べてみました。 データシートから引用ですが、わかりにくい表ですなコレ。 なるほどねPL端子をショートすんのね。 基板の箇所はここですな。 ここから線を出してスイッチを付ければ切り替え可能ですな。 と言いましても基板が小さ過ぎますから、現状かOFFかどちらかに固定ですな。 【ここまでの音質】 TPA2006D1に似ていますが、PAM8012の方は少々粗いと言いますか、 密度感が若干劣る感じがあります。PAM8012の方が曇る感じも少々あります。 TPA2006D1とPAM8012は利得の差が約10dBありますので、利得の影響かも? 音が曇るのはATTで絞っているからかも知れません。 それ以外は特に大きい差は無い様です。 つまり、 TPA2006D1の方は、貧乏旗本の三男坊が実は八代将軍吉宗公だった訳ですが、 PAM8012は将軍レベルには達していないという事でしょう。 するってぇと遊び人の金さんレベル? その実は北町奉行の遠山左衛門尉。 桜吹雪がだまっちゃいねぇぜ! by 杉良太郎 (爆) 利得を下げてみたいですな。もうちょっといじってみる予定です。 記事の内容は鵜呑みにせずご自身で実験評価して下さい。 そして当方はめんどくさいので一切サポート致しません。(爆) 以上です。
by ca3080
| 2015-06-20 14:45
| オーディオ&電子工作
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