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iZotope RX4 の備忘録③

前々回の記事①、前回の記事②から続きます。
今回は使用頻度が少ないツールについて記載します。




その①
その②
その③ ←いま見ているページ。


2016.09.22 追記しました。
↓追記箇所にジャンプ




本稿は当方のやり方を記録する物で、推奨の使い方という事ではありません。








【パラメトリックEQ】
オーディオ的な観点ですと周波数特性はいじらないのが基本でしょう。
落ち気味の高域を上げるなど、補正を目的とする場面もあるかも知れません。
周波数、ゲイン、Qを任意に変更できるパラメトリック・イコライザーですな。
[Equalizer]を開きますと下図のウィンドウが表示されます。
e0298562_98185.png

*高域が落ちちゃった等の症状はアナログ回路的な作用で生じます。
 これを補正するEQ typeはAnalog(IIR)が合っているのかも知れませんな。
*非常に簡単に使えます。使用したいバンドのボタンをクリックしチェックします。
 上図ではH PassとBell 1、Bell 2を使用中ですな。
*青色の周波数特性カーブをマウスで変えられます。
 白丸のポイントをいじれば周波数とゲインを変更でき、
 カーブの頂点をクリックすると[◯]の様に括弧が表示されます。
 括弧をいじればQを変更できます。
*当然ですが数値入力も可能です。Preview等の使い方は他のツールと同じです。









【急峻なサブソニックフィルタ パラメトリックEQ】
[Equalizer]のEQ typeはLinear-phase(FIR)も選択できます。
FIRフィルタの設定ではFFT sizeも色々選ぶ事ができます。
そんな機能を利用して急峻なサブソニックフィルタを実験してみました。
下図の様にFFT sizeを32768にしますと急峻な特性を得る事が出来ます。
e0298562_924442.png

*H Passのみ使用。Qを12に設定してみました。
*この特性が音質的に良いかどうかは記載致しません。(爆)
 気になる場合は試聴して判断しなければいけません。
 気に入ったならPresetsの右側にある歯車アイコンをクリックして、
 設定を保存しておけば使えるかも知れません。

効果としましては下図の感じです。
e0298562_927507.jpg

かなり強力ですな。









【不要音の削除A スペクトラル リペア】
生禄した音声など不要音が入っている事も多いでしょう。そんな場合に有効です。
レコードで不要音のする実例があるかと言いますと、ほとんど無いでしょう。(爆)
まずは試聴して不要音を特定します。
下図の例ですと、声紋にはっきり表れてますな。これはチュチュッという音。(爆)
e0298562_9364680.jpg

これを除去する訳ですが、除去するには不要部分を選択しなければなりません。
拡大して選択し易くします。
前回の記事②でも「曲末のうなり音を削減」の所で拡大作業を行いました。
e0298562_9391047.jpg

声紋のアイコン①をクリックしてスライダー②を上げます。
③の声紋用の目盛りの部分をマウスドラッグで動かします。
横方向の拡大は下図の④を操作して微調ですな。
e0298562_942122.jpg

次に不要音だけを選択します。
*上図の様に、選択ツールを⑤投げ縄にしてみました。
*⑥の感じで領域選択します。キーボードのshiftを使えば追加選択が可能です。
 数カ所をいっぺんに選択する事も可能です。
*不要音がうまく選択できたかどうか試聴して確認します。
 下図の特殊再生ボタンを使います。楽音がもれていないかも要チェックですな。
e0298562_103241100.png

[Spectral Repair]を開いて設定します。⑦Attenuateのタブをクリックします。
e0298562_9483257.jpg

⑧Compareのボタンをクリック。Compare Settingsのウィンドウが開きます。
⑨でビフォー/アフターを切り替えて試聴できます。
⑩で設定を変更し⑧をクリックすれば比較試聴も簡単です。
 効果が無さそうな試聴設定はRemoveをクリックすれば良し。
良さそうなら⑪Processをクリックして終了です。

うまく消えた様ですな。まるでマジックです。(爆)
e0298562_9565376.jpg

不要音は消滅しました。耳で聴いても違和感がありません。(爆)
掲載していませんがRX4の右下にUndoがありまして簡単に元に戻せます。
何回でもやり直しできますから失敗を気にする必要はありません。

選択ツールには魔法の杖もあります。
下図の例では不要音の高調波まで一発で捉えています。(爆)
e0298562_1021229.jpg

使用後ですが、
選択ツールは元の標準に戻し、声紋の拡大も元に戻しておきます。(爆)









【不要音の削除B スペクトラル リペア】
[Spectral Repair]には[Attenuate]以外にも色々あります。
*[Replace]は前後のスペクトルと交換するという意味ですな。
*[Pattern]は前後のスペクトルを参照し補間する訳です。
*[Partials + Noise]は消したい音を周囲にある白色雑音で埋めます。
*いずれも効果を耳で確認しながら最適な手段を選んだ方が良いでしょう。
 波形で見ても良い結果なのか逆効果なのか判らない事があったりします。

下図は[Replace]が有効な例です。酷過ぎて[Declick]では取り除けなかった物です。
周期的にゾリッゾリッゾリッ…という不快な音が入っています。(爆)
e0298562_108166.jpg

ポイントとしましては、「ゾリッ」と「ゾリッ」の間に良好なスキマがある事です。
そして楽音が無変化な箇所、リズムを刻まない箇所にのみ使えます。
できれば上図の様に曲末の、まさに消えつつある箇所などに使えるでしょう。

波形選択します。良好な領域を両端にまたいで、消したい音を真ん中に納めます。
[Spectral Repair]を開いて[Replace]のタブをクリックします。
e0298562_1015012.jpg

Compareで試聴しながらBandsの値を設定します。
場合によりスライダーの値が有効な事もあります。
選択範囲が不適切の場合もありますから色々とやり直してみればOKかも?
良さそうならProcessをクリックして終了ですな。

消滅しましたが、声紋をよく観察してみますと左右に伸びて単調になった感じです。
e0298562_10223930.jpg

かなり有効ですが、使える場所を選ぶと言う訳ですな。
今回の例では曲末だから出来た訳です。









【音切れを復活させる スペクトラル リペア】
音が切れちゃった箇所を復活できます。まあこれも場合によりけりです。
細かく変化のある音の途中が切れている場合はうまく出来ません。
音の高さも音量も一定な箇所、演奏記号ならタイみたいな箇所ですな。
そんな場合にはうまく出来るでしょう。
下図は音切れの例です。切れ目の所にブチッというPOP音もあります。(爆)
e0298562_10305492.jpg

これを復活させます。(爆)
無い物が元に戻る訳ではなく、予測による修正ですな。

まずは下図の様に切れた箇所を拡大し、選択します。
[Spectral Repair]を開いて①[Pattern]のタブをクリックし、これを設定します。
e0298562_10333956.jpg

*②のCompareをクリックし③試聴しながら設定します。
*④のBandsによってけっこう効果が違ってきます。
 選択した範囲と秒数にも依るでしょう。
 場合によりスライダーの方も調整します。
*下図の様に、⑤の試聴で良ければ⑥Processをクリックして終了です。
e0298562_1039724.jpg

消滅したはずの音が復元しました。全く違和感がありません。(爆)
完璧すぎて恐ろしいくらいです。(爆)


2016.09.22 以下追記。
完全な音切れじゃない例を追記します。
下図の様な感じでRchだけ音量が一瞬、フッと下がる例がありました。
e0298562_10315822.jpg

これを修正するんですが、
上記でははっきりした音切れなので[Spectral Repair]の[Pattern]を使いましたが、
このケースに対応するには[Spectral Repair]の[Replace]が良さそうです。
Bandsの設定はケースバイケースで要変更。今回はBandsを4096にしてみました。
e0298562_1036138.jpg

その結果ですが、違和感無く修復できました。
e0298562_10365619.jpg



<スペクトラル リペアが効かない音切れ>
次の例ですが、ほんの一瞬ですが耳で聞きますと違和感があります。
波形を拡大していくと何やら音切れの様ですな。
e0298562_10385351.jpg

更に拡大しました。LchとRchでタイミングがズレていますな。
拡大してLchの問題箇所を選択しました。
e0298562_10453663.jpg

この修復に何を使うかですが、[Spectral Repair]ではうまく出来ませんでした。
[Declick]の[Interpolate]を使ったらうまく出来ました!
e0298562_10474926.png

修復の結果が下図ですな。
e0298562_10481745.jpg

いや〜、効果抜群です。(爆)
Rchも同様に修復できました。
e0298562_10485992.jpg

良いですなぁ〜。
この音源のレコードですが、同じ様な音切れの箇所がたくさんありました。
ビニール盤に何かゴミみたいな物が練りこまれていたのが原因とは思いますが、
まさかマスターテープの方に原因があるなんていう事は? 無いでしょう。
ちなみに、岩崎宏美の「いちご讃歌」です。(爆)
EP盤「あざやかな場面」のB面。
2016.09.22 以上を追記。








【バッチ変換】
ケースバイケースで復元修正するのではなく、十把一絡げでOKな場合です。
*録音ファイルが沢山あって、オートマチックに処理したい場合ですな。
*サンプリング周波数の変換とか、サブソニックフィルタを掛けるとか、
 ノーマライズなどが該当するでしょう。
メニューバー[File]から[Batch Processing]を選択します。
Batch Processingのウィンドウが開きますので設定します。
e0298562_1047711.png

*まずは処理したい音声ファイルを準備して読み込ませます。
 Input filesの部分にドラッグ&ドロップします。
*処理したいツールを①の+ボタンで追加します。削除は②の−ボタン。
 音声ファイルも同様に+−ボタンで追加削除が行えます。
*上図の例ではResampleで96kHzに変換し、Equalizerでサブソニックフィルタ、
 Gainでノーマライズする一連の処理ですな。
*Resampleで選択した[soft 96k]というのは当方がプリセットした設定です。
 それを呼び出して選べる訳ですな。Equalizerの[20Hz HPF]も同様です。
 Gainの[CD max headroom]はRX4に備わった元々のプリセットです。
 プリセットじゃなく個々に[custom settings]も選べますが、
 よく練った設定をするにはプリセット済みにしておいた方が良さそうです。
*処理後の保存場所とファイル名の形式は③で選べます。
*保存形式は④で選択できます。
*以上のルーチンが定型処理ならばその設定を保存できます。
 下図の②をクリックし、追加された物の名称を③で判り易く変更しておきます。
e0298562_10461548.png

*設定がOKならProcessをクリックすれば開始します。
 ファイル名の右横に進行状況が表示されます。
けっこうCPUパワーを食います。
バッチ処理が終わるまではパソコンを使う事が出来ないでしょう。(爆)









【雑音の低減 FFT Based Denoiser】
音質変化が大きいためオーディオ的には滅多に使わないDenoiseです。(爆)
似た様な雑音低減アプリはRX4以外にも色々あるでしょう。
そういったよくある普通の手法である<FFT Based Denoiser>です。

楽音が入っていない箇所「雑音だけの部分」が皆無の場合は使えません。
①曲頭より前の部分、曲末よりも後の部分など、雑音だけの部分が必要です。
この雑音を参照して基準とし、閾値を設定するんですな。
e0298562_1193537.jpg

*[Denoise]を開いて②[Spectral]のタブをクリックします。
*雑音のみの箇所を波形選択状態にして、③Leanをクリックします。
 すると閾値が読み込まれてグラフに反映します。
 Leanで読み込まれたら雑音のみの波形選択は不要です。
*読み込まれたら下図を設定します。橙色が閾値。黄色が削減値ですな。
e0298562_11115173.jpg

*④のReduction curveは周波数によって除去感度を変えたい時にチェックします。
 チェックすると青色のグラフが表示され、任意の場所をクリックし折れ線を設定
 できます。その結果はグラフ上の黄色の削減値カーブに反映されます。
*全体の閾値を⑤のスライダーで変更できます。
*全体の削減量は⑥のスライダーで設定できます。
*⑦のQualityは一概にDのBestが最良とは言えないかも知れません。
 まあやってみて聴いてみて判断します。
*楽音に混ざった雑音を重点的に除去したい場合は、
 ⑧のスライダーをMusical noiseの方へ寄せます。
 これの弊害としては音質変化が大きい事です。音が鈍り気味になりますな。
*閾値より大きい音量の場合は何もせず、閾値近い音量の時に雑音を下げるという
 ノイズゲート的な手法としたい場合は⑧をGatingの方へ寄せます。
 弊害としましては、演奏が段々静かに消える様なキレの悪い曲の場合は駄目です。
 音の消え際でフィルター効果が強く掛かり音色が変化します。
 ジャーンという音がジャォーンと言う。(爆)
*⑨でじっくり試聴し結果が良ければProcessをクリックして終了です。








【雑音の低減 Zero Latency Denoiser】
上記の[Denoise]ではLeanで読み込ませるための、雑音だけの領域が必要でした。
下記の[Dialogue]はAutoで使えばLeanが不要です。
AutoじゃなくてManualの場合は上記の様に雑音のみをLeanで読み込ませます。
e0298562_11443644.jpg

*[Denoise]を開いて①[Dialogue]のタブをクリックし②Autoにします。
*③④で試聴しながら⑤⑥のスライダーを調整します。
 かなりイージープレイですな。(爆) 良ければProcessをクリックし完了。
*まあ効き過ぎますな。音楽の処理用には向かないでしょう。
 会話の音声から雑音を消して聴き取り易くするとか、そういう用途でしょう。









【その他】
沢山の機能をメモしましたが、他には[Dither]の設定をカスタムに試せます。
まあディザの設定は音質的な検証が必要と思いますから極めるのは難しいですな。
ファイルを書き出す[Export…]の設定で標準のディザを選択できますが、
あれで十分な効果がありますので当方的にはひとまず良しとしています。

あといくつか機能がありますが、音楽を作る人用と思います。

試用版がダウンロードできます。10日間は無料で使える様です。
https://www.izotope.com/en/support/product-downloads/rx-4
実際に体験してハマっちゃったら後が大変です。お勧めは致しません。
恐い薬みたいな物かも知れません。 エッヘヘヘ要注意です。(爆)





この投稿は当方が使う時にコツを忘れないための、個人用の記事です。
※2015.02.22追記。著作権などの法令は遵守しましょう。
自己責任にてお願いします。
以上です。







2015.02.08 忘れていた機能を思い出したので追記します。
波形の形を直接マウスで変更する機能もありました。ほとんど使いませんな。
e0298562_11112178.jpg













by ca3080 | 2015-02-07 12:42 | オーディオ&電子工作
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