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iZotope RX4 の備忘録②

前回の記事①から続きます。 市販ソフトの話なので番外編です。




その①
その② ←いま見ているページ。
その③


2016.09.22 追記しました。
↓追記箇所にジャンプ





本稿は当方のやり方を記録する物で、推奨の使い方という事ではありません。

さて、
当方の自作フォノEQと改造ターンテーブルはハムノイズが極小です。
しかし元々の録音ソースにハムらしき音が入っている場合がけっこうあります。
まずはそれを確認し、何か見つかったら除去します。







【ハムノイズ除去 リムーブ ハム】
音声ファイルの無音部、今回の例では曲が終わった後の部分ですな。
無音部を選択します。あるいはカーソルを置くだけでもOKです。下図の①ですな。
[Window]メニューから[Spectrum Analizer]を開きます。
e0298562_857447.jpg

②の様にFFT Sizeを大きくしないと見えないかも知れません。
③スペアナのピーク波形にマウスポインタを近づけると周波数が見れます。

35.972Hz?これは何でしょう? ハムノイズって60Hzか50Hzじゃないの?
たぶんマスターテープの、オープンリールデッキのモーターノイズか、
それともレコード原盤カッティングマシンの震動音ですよコレは。(爆)
こういう面白い実例を探して掲載するのもけっこう大変だったりします。
周囲の雑音に対して30dBくらい出てますな。高調波は3次くらいまでですな。

様子が分かりましたから、[Remove Hum]を開いて除去の設定をします。
曲末の無音部は選択したままです。
e0298562_975992.jpg

*④でDefaultあるいは適当なプリセットを選択した状態から始めます。
 ハム周波数が60.00Hz or 50.00Hzという事はあまりありません。
 59.25Hzかも知れませんよ? まあ今回は35.972Hzです。
*Manual をクリックします。ボタンが青い状態です。
*Base frequencyをFreeにします。
*⑤のLeanをクリックしてみます。
 Notch frequencyの値が先にメモした35.972Hz近い値ならOKです。
 Lean がうまく機能しない場合は⑤の周波数を直接キーボードで入力します。
*⑥基本波の減衰量を入力します。
 今回はスペアナで確認した30dBのピークを抑えるので-30dBにします。
*⑦のスライダーを動かして高調波の数を設定します。
 今回は3次高調波まで出ていましたから3にします。
*⑦スライダーの右横にLink harmonicsがありますが今回はAllとします。
 ⑧のスライダーを動かして高調波の減衰レベルを調整します。

次に試聴とスペアナ確認ですな。
主にFilter Q を設定します。そして設定がOKかどうか確認します。
e0298562_9234861.jpg

*上図の様にPreviewをクリックすれば再生しながら確認できます。
 無音部以外にも、楽音部分も確認しながら可能な範囲でFilter Qを狭めます。
 Filter Qが広いと楽音まで除去されてしまいます。ベースギターとか注意です。
*Preview中にBypassをクリックでビフォーアフターを即時に切り替えできます。
 確認が容易になりますな。
*Output hum only をチェックし楽音への干渉をチェックできます。
 ハムノイズは無音部も楽音部も音量一定のはずです。
 そうじゃなければ楽音が影響を受けている訳です。
*OKならばOutput hum only のチェックを外し、
 除去する範囲を選択して(あるいは全波形を選択)Processをクリックします。

とりあえずうまく出来たみたいですな。
e0298562_9342633.jpg

101.1Hzに何か残ってますな。先の35.972Hzとは別の案件ですな?









【ハムノイズ手動設定 リムーブ ハム】
101.1Hzを除去します。ついでにサブソニックフィルタも掛けてみます。
上の波形からピークレベルは22dBくらいでしょう。
[Remove Hum]を開いて設定します。
e0298562_9373079.jpg

*①をFreeとします。Manualをクリックします。
*無音部を波形選択しLeanをクリックしてみますと101Hzに自動設定されません。
 ②へ直接数値入力します。今回は101.1Hzです。
*④の高調波ですが今回は基本波だけですから1です。
*⑤の減衰量はスペアナで確認した値から-22dBを入力しました。
*Preview等で確認しながら③をうまく設定します。

*今回はサブソニックフィルタを掛けたいので⑥を設定します。
 High-pass filter をチェックし周波数とQを設定します。

完全に消えた様ですな。
曲末の選択した部分ですが、波形がけっこう細くなりました。
e0298562_9513927.jpg

下記はその他のコメントですな。
*[Remove Hum]にはManual / Adaptiveのボタンがありますが、
 Adaptiveはハム周波数がユラユラ変動するケースの時に使用します。
 そんな時でもFilter Q を狭く絞れれば良いですな。
 うまく出来るかどうかは実行して試すしかありません。
*試聴の所でCompareを使いませんでしたが、
 ハムノイズ除去の作業でCompareの機能はあまり向きません。
 下の方に使用例を記載します。他の修復時に使用します。
*Link harmonics は多くの場合All でイケると思いますが、
 高調波のピークが色々ある時はNoneを選択し自由に設定可能です。
 Odd/evenはその中間的な設定方法です。
e0298562_101485.jpg

*設定グラフのノッチポイントをマウスドラッグで動かせますが、
 ハムノイズは周波数をびっちり合わせる必要がありますから、
 マウスドラッグによる設定はお勧めできません。









【折り返しクロック除去】
ADC録音機にも依りますが、
内部回路のクロック同士が干渉して、折り返しクロックが漏れている事があります。
他に考えられるケースでは、入力アンプが発振してるとか?(爆)
声紋の波形に横線が見えます。スペアナではっきり確認できますな。
e0298562_106480.jpg

*今回の例では27.805kHzにピークがあります。
 曲頭や曲末を確認してみますと周波数変動は全くありません。
 こういったピークの除去にも[Remove Hum]が使えます。
*周波数は27805Hz、振幅は周囲ノイズから30dBくらい飛び出てます。

[Remove Hum]を開いて除去の設定をします。
①はFree、②がスペアナ確認した27805Hz、③は500くらいでも大丈夫でしょう。
e0298562_1013888.jpg

*④は基本波だけなので1ですな。
*⑤の減衰量は-30dBですな。
*⑥のFilter DC offset はハムノイズ除去の時に使いましたから、
 今回はチェックを外しておきます。
 何回もDC除去フィルターを掛ける必要はありません。
*チャチャッと効果を確認してOKなら、
 全波形を選択しProcessをクリックします。

消滅しました。
e0298562_10183123.jpg











【曲末のうなり音を削減 スペクトラル リペア】
曲の終わりの部分ですが、残響が徐々に小さくなっていきます。
フェードアウトしていったりします。小さくなっていく音に集中しちゃう訳です。
まあ心理上ですが雑音が耳に付く訳ですな。
ゾワゾワする音やブーンと言ったうなり音が目立ったりします。

うなり音を除去するには、うなり音だけを選択し、それを除去します。
選択は下図の様に行います。
e0298562_1026142.jpg

*まずは拡大ですな。①で声紋を選択します。②のスライダーを少し上げます。
 すると声紋が上下に伸びますな。
*対象は低い周波数なので、
 ③のあたりをクリックしたまま④の方向へドラッグします。
 ②③④の作業を何回か行うとそれらしき声紋が見えてきます。
*次に選択です。今回は選択ツールを⑤の[ブラシ]にしてみます。
*曲末のうなり音らしき場所を⑥で塗り込みます。(爆)

うまく選択できたかどうか試聴して確認します。
下図の特殊再生ボタンを使います。
e0298562_103241100.png

気になった曲末のブーンという音でしょうか?
違うならもう少し色々選択して、削除対象のブーンという音だけを選択します。
楽音が聞こえない様に選択します。

次に削除設定ですな。
[Spectral Repair]を開いて設定します。
①の[Attenuate]タブをクリックし、②Compareのボタンをクリックします。
するとCompare Settingsのウィンドウが開きます。
e0298562_10372251.jpg

*③を選んでPreviewで比較試聴できます。
*④のパラメータを色々変更して効果的な設定を探します。
 Compareのボタンをクリックすると設定した音が追加され試聴できます。
*うまい設定ができたら⑤のProcessをクリックして終了です。

フェードアウトに被ってブーンという音が前に出て来ていましたが、
目立たなくなりました。
e0298562_10423914.jpg

ブーンという音が目立たなくなると、今度は小さいゾリゾリ音が耳につきますな。










【曲末のゾリゾリ音除去 デクリック】
音量が小さくなっていく曲末だけが目立つ訳です。
まずは曲末の、ゾリゾリ音が聞こえ出す所から最後までを波形選択します。
[Declick]を開いて下図の様に設定します。
e0298562_10472665.jpg

*①Declickのタブを選択し、②M-band(random clicks)を選択、
 Click typeをClickとします。ここまでは前回の記事チリチリ音除去と同じです。
*③Sensitivityを8.0くらいに上げます。10.0でもOKかも?
 曲末の部分ではアタック音なんか無いに等しいので思いっきり効かせます。
*そして試聴もせずに④Processをクリックで完了です。

見た目で判りにくいので波形は掲載しませんが、音はスッキリしました。
フェードアウトの部分も雑音が目立たなくなりました。


2016.09.22 以下追記。
フェードアウトの例を追記します。
上記の様に、演奏の最後がジャーーーンで終わる場合は簡単でした。
最終章の演奏を繰り返しながら徐々に音が小さくなっていく場合です。
音量が小さくなっていくので小さなプチプチ音やゾリゾリ音が目立ってきます。

まあとりあえず、プチプチ音がしてくるあたりから以降を全部選択しまして、
DeclickのSensitivityを設定するんですが、強くはできません。
Sensitivityを強くするとアタック音が削がれちゃうので、ぎりぎり2.0で実行!
e0298562_1011060.jpg

プチプチ音が目立つ領域が少なくなりました。
そして同じ様に、プチプチ音がしてくる箇所から以降を全部選択しました。
今度はDeclickのSensitivityを3.8くらいに上げてもアタック音は削れない様です。
e0298562_1051939.jpg

また同じ様に、プチプチゾリゾリ音が聞こえて来る領域から以降を選択しまして、
DeclickのSensitivityを5.2程度にしました。
e0298562_1065314.jpg

もうこの辺になるとゾリゾリ音ですな。
DeclickのSensitivityを8.0にしても楽音の方は大丈夫みたいです。
e0298562_1081254.jpg

だいぶ良くなりましたが、最後の消え際の所がゾリゾリ言います。
ここはDeclickのSensitivityを10.0にしました。
e0298562_109279.jpg

いい感じに凄くキレイになりました。
ほとんど違和感を感じない音質で処理できる様ですな。
元の音がレコードだったとは思えない仕上がりです。
マスターテープみたいな綺麗な音質にまで戻っちゃうかも!?(爆)
2016.09.22 以上を追記。

この辺で最終作業に入ります。









【ノーマライズ処理】
波形は何も選択せずに、[Gain]を開いてNomalizeのタブをクリックします。
設定値は-0.50dBFSで何ら問題ありません。Processをクリックし終了です。
e0298562_10565716.jpg

普通に完了します。
e0298562_10572547.jpg










【トリミング】
不要な無音部を波形選択して削除します。
[Edit]メニューから[Delete]を選択します。
曲頭と曲末の両方を実行します。
e0298562_1112728.jpg










【フェード処理】
無音部を除去した部分に、ほんのちょっとフェード処理を掛けます。
曲末の、楽音が消えていくほんの少しの部分を波形選択します。
[Gain]を開き、①[Fade]のタブをクリックします。まずは②のFade outですな。
e0298562_1143714.jpg

*消え方は③で選べます。楽音を多く残すにはEqual powerですな。
*④のCompare機能を使えば確認も容易です。
 まあ慣れれば試聴しなくても大丈夫です。(爆)
 OKなら⑤Processをクリックします。

きれいに曲末処理ができました。声紋が真っ黒に収束して終了しています。
e0298562_1163210.jpg


同じ様に曲頭もフェード処理します。
e0298562_1173782.jpg









【最終出力】
以上の作業で出来上がりましたので、ファイルに書き出します。
[File]メニューから[Export…]を選択します。
e0298562_1191824.jpg

Export File のウィンドウが開きますので出力フォーマットを設定します。
下図の例ではAIFFの24bitを選択しました。
サンプリング周波数は96kHzで作業してきましたので、そのまま96kHzです。
e0298562_11114412.jpg

*DitherはぜひMBIT+を選択しましょう。
 RX4の様々な処理は32bit浮動小数点で行われていますから、
 32bitの滑らかさをディザで24bitに入れ込みます。24bit以上の音がするかも?
*Preserve non-audio data のチェックですが、
 曲目や歌手名などのIDタグをそのまま保存するかどうかです。
 当方のRX4では今の所バグがあるのでチェックを外しています。(爆)
*OKをクリックすると保存場所やファイル名を入力するウィンドウが開きます。







一連の作業は以上で完了です。慣れれば簡単にこなせるでしょう。
ところで?[Denoise]は使わないの?
レコードの雑音を除去するメインの機能が[Denoise]でしょ?
エヘヘヘ。
[Denoise]は音質変化が大きいので使用しません。(爆)






うーん記事を2回に納めるのは無理でした。
滅多に使いませんが、ミラクルなすごい機能がまだ残ってますな。
次回もRX4の備忘録で御免。(爆)


そして当記事は使い方ガイドではありません。当方の個人用です。(爆)
※2015.02.22追記。著作権などの法令は遵守しましょう。
自己責任でお願いします。













by ca3080 | 2015-01-31 12:04 | オーディオ&電子工作
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