フォノカートリッジDL-110を改造して楽しんでみました。
故障のリスクを伴いますので改造をお勧めする記事ではありません。 (2014.09.05針先プロテクターの影響について6行の追記をしました。) 【警告!】 細かすぎる作業のため、一瞬のわずかなミスで故障してしまいます! メーカー保証は受けられません。針交換も不可になるでしょう。 改造してしまうと元の音には戻りません。音質が良くなる保証は一切ありません。 当方の主観による感想なのです。悪化すると感じる人も居るかも? 自己責任という事ですな。(爆) 【前置きの話】 普及帯じゃない中価格帯以上のカートリッジは独特の世界があったりします。 クラシック専用は非常に美しいヴァイオリンの艶と夢の様なコンサートホール感。 ジャズ専用はモッチリした濃厚な音と迫力のベースが前に押し出すステージ感。 そんな銘品をご所持の方はどうぞ現状維持でお楽しみ下さい。 当ブログのウィンドウをそっと閉じて頂ければ宜しいかと存じます。(爆) 土俵が違う物を比較したり勝負する事は出来ませんし、 下記の方向性とは相容れないと思います。 【改造の効果は大きい】 DL-110を用いて改造実験したのはかなりの昔の事です。 改造品を使い続けても問題は無さそうです。 メインで使っていましたから使い過ぎてヘタリが気になったくらいです。 そこで新しいDL-110を追加購入しました。 新品と改造品を比較試聴してみるとやはり効果絶大でしたな。 そして新品の方も改造するついでに今回の記事にしてみました。 何で最低価格の物が大幅に音質アップできるのか? さーて?判りませんな。 高純度銅のコイルとか関係無いと言う事なんじゃない?(爆) DL-110は磁気回路が特殊で普通のMCカートリッジには無い可能性があります。 コストダウンの結果シンプル化されてこうなったんでしょうが、 もしかして凄い潜在力がある様な気もします。 まあ腐っても鯛。安価でもMCカートリッジです。 MMカートリッジよりは低雑音、広帯域、繊細です。 しかし、改造前のDL-110はそれなりの音です。安価な高出力MCです。 さすがに高価格なMCカートリッジと比較しますと、 イマイチ抑圧的と言いますか、躍動感が足りない薄い音に感じます。 艶とか伸びが足りない無機質っぽい広帯域ですな。 高域がキツい、高域にチャラチャラする付帯音を感じる事もあるでしょう。 そういう場合はフォノEQかアンプの問題です。フォノEQを要検討です。 また解像度につきましても広がり分離感が少々足りない所もあります。 本稿は、これらの弱点をすべて大きく改善する方法を記載します。 高音が〜低音が〜といった様な低次元な話ではありません。(爆) 【道具と集中力について】 両手が空いて高い視力がある事。つまりヘッドバンド型の拡大鏡が必要です。 先が細い非磁性ピンセット、製品を固定するジグも必要ですな。 第2弾の作業には、先端が細いプラスチック用ニッパーが必要です。 当方は先を研いで尖らしたプラスチック用ニッパーを使いました。 それ以外には集中力をともなう慎重で的確な作業が要求されます。 カートリッジには強力磁石が使われています。 ピンセットやニッパーが磁石に吸い付かない様にしっかり持たなくてはいけません。 ちょっと気がゆるんだ拍子にカンチレバーを折ってしまうかも! 【改造第1弾】 改造の前に十分に比較試聴し結果を残します。改造後の変化と比べます。 さて何をするのか? それは構造上で気になるサブダンパーを外すのです。 DL-110じゃなくてDL-301にサブダンパーの働きが書いてありました。 中低域と高域を2つのダンパーで分担してリニアな周波数特性となるらしいですな。 その様な変化は無さそうですよ。(下記に測定結果もあります。) カンチレバーの動きを押さえて鳴るべき音を鳴らさない。(爆) サブダンパーでわざと音を曇らせDL-103との差別化を図っているのかも? 本当は埃除けとか? あるいは過剰な大音量のレコードで歪みが増えるのを押さえる対策でしょうか? 改造DL-110で様々なレコードを聴きまくって来ましたが問題無さそうですよ? 何かあるとしても、 あっしにゃー関わりのねー事でござんす。 by紋次郎。 (爆) まずは機銘板を外します。ほんの僅かな力でちょこっと触ると簡単に取れます。 次にサブダンパーを外します。 コイルには絶対に触れない事。 カンチレバーにも触れない事。カンチレバーが動く様な力は加えない事。 こんな感じですな。 エナメル線を楊枝代わりに使いました。 外した部品はパーツ箱に保管しました。 ここで音を聴いてみましょう。 ここまでの改造だけでも大きな差があります。 解像度や分解能はどうでしょう?滑らかさも増しているでしょう。 そしてステレオ感がアップしています。 【改造第2弾】 アンプ類の電源をOFFにしたままレコードを掛けると カンチレバー自体の震動で音楽を聴く事が出来ます。 その震動はレコード盤とカートリッジの間で反射したり共鳴したりするでしょう。 共鳴音はカンチレバー自体の動きにも影響を与えるでしょう。 当方が気になるのはカンチレバーの脇にある保護壁みたいな所。 この共鳴洞みたいな構造を無くします。カット! ニッパーや切りくずがカンチレバーに触れてはいけません。 もちろん発電コイルにも触れてはいけません。 切りにくいので一気にやらない事。ちょっとずつ何度も切り込みを入れて、 じっくり作業します。そのうちに写真みたいに切れます。 この程度まで切ります。 以上ですべての改造作業は終了です。 改造後の音は高解像度でクリアで音がしっかり分離し定位がピンポイントです。 しかも濃厚で艶もあり滑らかで躍動的、音楽的。かなりの激変です。(爆) 高解像度=硬い薄い音、というイメージは根本的に覆されるでしょう。 これは当方の所持品中では最高音質のカートリッジに化けました。(爆) 大きな差をつけて一位なのです。 【測定してみました】 サブダンパーを外したので、周波数特性が影響を受けたかどうか確認してみます。 テストレコードがありまして、スイープを見てみました。 変化が無いですな。 本当かいな?という訳で、別種のカートリッジを見てみました。 ShureのM97xEとか高域が落ちているMMカートリッジは結果に反映しますな。 測定の仕方は問題無いという事です。たぶん。(爆) DL-110のサブダンパーは周波数特性とは関係無いっぽいですな。 (もしかして20kHz以上で差が出るのかも知れません。) DL-110を改造しても周波数特性は全く変化無しという結果でした。 当方のリファレンスで御座います。(爆) 旧改造品と改造前→旧改造品と新改造品。 古い方は切り過ぎです。これ以上やっても意味がありません。 針先プロテクターはあっても無くても 2014.09.05追記。針先プロテクターの影響ですが再度じっくり比較してみました。 影響はある様です。当方は軽く判断してた様で、訂正致します。ご免なさい。 針先プロテクター有無の確認ですが、 どのくらい音質差があるかを耳で確認してから決めれば良いと思います。 ピンセット等を使用すれば取り外しも再度の取り付けも難しくないでしょう。 音質優先でプロテクターを外しても、元の安全性重視に戻せるという事です。 【おまけの話】 上の写真で見える物がありますな。 ・シェルリードはφ0.5エナメル+φ1.0綿スリーブの自作品。 SUMIKOの付属リッツ線は音が曇りましたな。 ビニル被覆は音が膨れて滲んで遠くの残響がぐっと近くなります。 シェルチップは音が悪いシェルリードを切断してジャンクとして流用。 緩んだりきつ過ぎはペンチで調整しないと装着時に手が滑って壊しますな。 ・シェルリングは薄いステンレス製の物を探して波打たせて使っています。 バネ性と硬さのバランスが良いのかも?ゴムやアルミはいまひとつでした。 シェルをアームへ取り付ける時にも適度な力加減でいいんじゃない? ・シェルは安物ですが、カートリッジの取り付け方法による影響の方が大きいです。 具体的にはφ2.6のステンレスワッシャ2個をかまして密着を避けています。 ビスは付属のアルミビスでいいと思います。 シェルの水平はアームへ装着した時に遊びがあるので捻って調整。(爆) (2015.10.15追記。SL-1200Mk3ですと、上図の取り付け位置はNGです。 トラッキング角度を正しく調整すればL/Rの音量差や歪みが改善します。) ・付属のオーバーハングゲージは駄目かも? 下図の様なトラッキング角度で取り付け位置調整する方が良い様に思えます。 不明点は当方以外の詳しいページをお探し頂き調べて下さい。 当方はお金をかけずに楽しんでいるので最良ではありません。 【注意事項】 何があっても自己責任です。 何らかの問題が発生しても当方は一切の責任を負いません。 そして当方はめんどくさいので一切サポート致しません。(爆) 以上です。 2017.12.29追記。 9月から告知致しておりましたが、予定通りコメント蘭を削除させて頂きました。 今までコメント頂きました皆様には感謝申し上げます。ありがとうございました。 。
by ca3080
| 2014-08-23 10:16
| オーディオ&電子工作
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