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ソーラー充電器 Ni-MH編

エネループ等、Ni-MH電池のソーラー充電器です。
おてんとうさんありがとう。(爆)



【簡単ソーラー充電器】
ソーラー充電器それ自体は簡単に作る事が出来ます。
ブログを始めるよりもだいぶ前に作成した物はこんな回路構成でした。
ソーラー充電器 Ni-MH編_e0298562_19545546.png

  ※2014.06.05 電池の極性を訂正。またやっちまった。(爆)


2V500mAの太陽電池ダイオード、電池ホルダ、これを配線するだけです。
こんな回路をどこから拾ってきたかは覚えていません。
たったこれだけで、他の部品は不要なんでしょうか?
まずはNi-MH電池の内部抵抗が低いのでソーラーパネルが負ける訳です。
ソーラーパネルの内部抵抗(供給可能電力の限界)がありますから2Vは出ません。
何となくうまく動いているんだな。(爆)

1900mAhくらいの電池容量なら8時間程度で充電できます。
タイマー式なので夕方になると自動停止するのです。(爆)

ただし、
単四型のエネループ(750mAh)やエネループライト(950mAh)は問題があります。
それは8時間も充電させると過充電になってしまうのです。
よって電圧を測りながら充電する必要があります。
そんな訳で今回の記事は、
夜になったらじゃなくて「満充電になったら自動停止」する回路を考えました。


【簡単充電器の性能を知る】
まずは測定です。充電の経過による電圧と電流を見てみました。
充電器は室内の窓際に置いています。電池はエネループ1900mAhです。
窓ガラスの反射がありますから発電としては少し不利な条件です。
午前中には南東へ向け、午後には南西に向けました。
充電中の電圧と、電池と取り出した電圧の両方を記録しました。
ソーラー充電器 Ni-MH編_e0298562_1143226.png

だいたい7時間の充電ですが1.4V以上まで充電する事ができます。
充電中は0.02V〜0.03Vくらい高くなる事が判りますな。
電流に関しては1S3のVFからおおよその値を見る事ができます。
ソーラー充電器 Ni-MH編_e0298562_11393818.png

午前10時にはVFが0.4Vですから、0.4A弱くらい流れている事になります。
日陰では0.1A未満という事ですな。


【電圧管理はどうする?】
電池の電圧を管理するにはどうするか?
まあ電圧管理ならリセットICです。それ以外の条件では、
・1Vくらいでも余裕で動作する事。
・電圧設定値を変更可能な事。
・動作電源電圧の範囲が広い事。
これらを満たすICはM51957である事が判りました。


【充電終止電圧を決める】
次は、Ni-MH電池の充電は何ボルトで完了すれば良いかと言う話です。
色々と検索して調べてみますと、常温では1.45Vという事らしいですな。
それに、先の測定で判った事「0.02〜0.03V」を考慮し高目に設定します。
しかも温度による変化があって-3mV/℃とか何とか。(無保証)
この変化をリセットICのM51957に盛り込むにはサーミスタが必要です。
サーミスタはSEMITEC(株)の103AT-2を考えてみました。
ソーラー充電器 Ni-MH編_e0298562_11582029.png

別品種のサーミスタでB定数が少し違っても使えるかも知れません。
温度に対する抵抗値が誤差範囲かどうか確認すれば宜しいですな。
サーミスタ以外の電圧設定用は±1%誤差の抵抗を使います。
これで簡単、無調整。


【基本の回路図】
上記の他にも課題がいくつかありましたが割愛する事と致します。(爆)
ソーラー充電器 Ni-MH編_e0298562_123760.png

*Q12のMOSFETですがNchです。低VGS低ON抵抗の物を使って下さい。
 IRLU3410PBFでも使えます。
 充電中はゲートに5Vが印可されます。
 でもソースは電池があるので1.2Vとかの電圧になります。
 するとQ12は完全に飽和してドレインも1.2Vとなる訳です。
*その5Vを作るためにU1のHT7750Aを使用しています。
 大した電流も流れないのでL1は適当な物でOKです。
 C1,C2も普通の電解です。
*サーミスタTH11は基板の適当な位置でOKで、電池に触れる必要は無し。
 そんなに厳密に考えないで心に余裕を持ちましょう。(爆)
*電池ホルダが空の場合、発電中はC14を充電させます。
 これによって緑と赤のLEDが点滅して見える訳です。
 点滅周期はC14の容量で変わります。
 電池を装着しても接触不良ならば点滅したままという事で判断できます。
 充電を開始するとD12の赤LEDが点灯したままとなります。
*LEDは通常品の高輝度の物を使います。日光が当たっても見易く高輝度。
 通常品の理由はVFです。2V以下で点灯しない物は駄目かも?
 


【電池2個用の回路図】
まあとりあえず掲載しておきます。
ソーラー充電器 Ni-MH編_e0298562_12551565.png

リセットICですがM51958が入手できれば部品を省けます。
ソーラー充電器 Ni-MH編_e0298562_12553023.png



【組み立ててみんべ】
電池ホルダですが、端子のカシメ部に接触不良が多いですな。
バネの所とかも怪しいです。そこは銅単線をちろっと出して接触させるとか、
工夫してみるのも宜しいかと思います。
ソーラー充電器 Ni-MH編_e0298562_12512916.jpg

紫のリボンは電池を外す時に便利ですな。
ソーラー充電器 Ni-MH編_e0298562_12514621.jpg


本体はこんな感じとしました。木工です。(爆)
電池ホルダは両面テープに追加して木ネジでしっかり固定します。
パネルの角度は30°にしてみました。
ソーラー充電器 Ni-MH編_e0298562_12555868.jpg

左が旧タイプのソーラーパネルです。右が現行品。?
水色のワッシャみたいな物は食パンの留め具を切って作りました。
ソーラー充電器 Ni-MH編_e0298562_1256179.jpg

日光が照りつけるとかなり高温になりますので電池の上にひさしを付けました。
ソーラー充電器 Ni-MH編_e0298562_1257775.jpg



【充電してみんべ】
動かしてみました。
ソーラー充電器 Ni-MH編_e0298562_132163.jpg

充電が完了するとMOSFETがOFFになって緑のLEDが点灯します。
下図の写真は開発中でL2とC3がありません。ひさしも無いですよ。
ソーラー充電器 Ni-MH編_e0298562_1311969.jpg

充電完了後のエネループですが、1.42Vくらいで自動停止ですな。
1日あれば充電できます。上出来です。


【その他】
ところで、ダイオードはショットキータイプですな。
「逆漏れ電流」とか書きますと心配で寝られないとか。(爆)
まあ心配なら電池を外して寝ればいいんじゃないの?(爆)

充電が終了し夜になって放置したままでも大丈夫かどうか?
データシートを見てみましょう。
ソーラー充電器 Ni-MH編_e0298562_1394165.png

電池容量が1900mAhですから、微々たる物です。
誤差程度ですな。


【注意事項】
今回の回路はご自由に使って頂いてOKですが、自己責任でお願いします。
記事の内容は鵜呑みにせずご自身で実験評価し、OK/NG判断して下さい。
何らかの問題が生じても当方は一切の責任を負いません。
そして当方はめんどくさいので一切サポート致しません。(爆)











以上です。
by ca3080 | 2014-05-31 13:50 | 電子工作(一般)
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