DACキットと言ってもほとんどDAC-ICピッチ変換基板と変わりません。
DACキットの改造ですが、作ってみたら問題点が出たので対策も行います。 DAC部についてはデジットのキットを使用致しました。 よって使用するDAC ICはPCM1792です。 マイコン不使用で挑戦し易くしましたが、エンファシス非対応になります。 エンファシスのCDは存在量自体が少ないですし当方も非所持という訳です。 どうしてもと言う方はマイコン制御でお願いします。(爆) さて、一応この段階で音声出力が出る所まで組み立て出来たんですが... しかし実際に動かしてみると色々と問題点が見つかりました。 皆さんには先に問題点を把握してもらって、回路図は下の方に記載します。 【サンプル&ホールド状態!】 動かしてみて判った事です。スペックのどこに書いてあるんだか無いんだか? これは絶対に対策しないといけません。 PCM1792にデジタルオーディオ信号を送信しまして、遮断したとします。 これはSPDIFコネクタを抜いたとか、デジタルソースセレクタを操作したとか CDプレイヤーのコンセントを抜いた等によって発生します。 つまり可能性としては頻繁に発生するという事です。(爆) その時の、DACの出力波形がこれです。(爆) (I/V変換回路を通した後の波形です。DAC-ICの出力端子では見えません。) 安心して逝けます。(爆) スピーカー爆発燃焼。(爆) このDC出力をどう対策するか? 当方の実験ではPCM1792をリセットすれば、DC出力も止まる事が判明。 リセットする信号はどこからもらうか? まあデジタルオーディオ信号に異常があった場合は、DAIのWM8805から エラーフラグが出て来るので、これを利用すればうまく行きそうです。 ついでにエラー表示も付けてみました。(というかLEDが光るだけです。) ※追記→デジトラや2N7002K等も視野に入れ素子選定した方が良いと思います。 ※追記→2SK4150も使えそう。 TRANS_ERRを使ってDACをリセットすれば確実かは不明です。(爆) 他のエラーフラグの方が良いかも知れません。まあ実験して下さい。 これを取り付けてDAC出力波形を確認したのが下図です。 うまくいきました。あー良かった。(爆) 【ノイズ? 共振? 発振?】 次は高周波ノイズです。そして発振の様な共振の様な現象が発生しました。 ノイズの方は確認も容易でAPB-3等で検討できます。 しかし、何かオシロで見ても波形が太い様な?オシロではよく見えません。 ここでAPB-3を持ち出しても確認不能でした。何かが居る訳です。 実はこの夏に激安中古スペアナ(ボロいです)を手に入れる事が出来まして、 当方もやっと50MHz超の周波数帯を見る事ができる様になりました。 原因は2カ所にありました。 ひとつはディスクリートI/Vコンバータの発振?と思います。570MHz(爆) もうひとつはDAC-ICの電流出力端子に何かある。131MHz。 こんな波形です。 DAC-ICの後段の、アンプの話にも飛びますがここに記載しておきます。 ディスクリートI/Vコンバータの方はすぐに対処できました。 トランジスタのベース抵抗を1カ所追加で完治しました。(後記、R94。) トランジスタを交換しても問題が生じない事を確認しました。 中々に対策が難しかったのが131MHzの方です。 対策ポイントを発見するまでに時間を取られました。 下図のとおり、C123,C127,C94を追加です。FB121はオマケです。(爆) 余裕を見た定数なので付けておけば問題無い、と思いますが非保証。(爆) これらの追加でアナログ出力の周波数特性が影響される事は無い様です。 実際の後段はベース接地で受けますからインピーダンスは非常に低いですが、 仮に大きい値で受けるとして 電流出力6mAと、出力振幅2Vなら R=V÷I=2V÷6mA=333Ω 追加する容量が合計で3000pFくらい。 f=1/(2*π*3000 E-12*333)=159kHz まあ変な観点から変な計算をしても影響無しという訳です。 結果はスッキリこうなりました。 これを対策しなくても良さそうな音で鳴るから、余計に困った物です。 しかし、対策後の音は確実に透明度と実在感がアップしていますよ! 【DAC基板の回路図】 前置きが長かったですが回路図を掲載します。 これもブロック図を脇に見て頂ければ判り易いと思います。 (クリックで拡大です。) ここで登場する4.7uF/25Vの積セラはテキトーな選択ではありません。 色々と音質を評価しての最高の品種です。当方も意外でしたな。良い発見です。 68pF、2700pF、0.1uFについては過去記事をご参照下さい。 220uFの話なども一緒に、次回あたりに記載します。 【DAC基板の改造】 DAC基板改造の具体例です。基板も検討の痕だらけでキタナイ。 これも基板レイアウト自体が駄目っぽいので、けっこう苦労しました。 C4BとC7Bの位置にコンデンサを付けても効果が薄く感じますので不使用。 コンデンサは交換出来る様にしましたが、決定後はコネクタを外して直付け。 【その他の測定結果】 PCM1792は電源投入時に出力がフェードインする仕様みたいです。 リセット解除の時はそうはなりません。 普通に使うぶんには問題無しですが、音質検討の時には時間を取られます。 次に、電源端子のノイズを直接観察してみます。 まずはデジタル3.3V電源。 ロックしている時とアンロック時でノイズ周波数が異なります。 高周波ノイズをまき散らすADCとかDACのICは世の中に多いと感じます。 下図はアナログ5V電源のノイズ。けっこう奇麗です。 300kHzあたりから下が盛り上がってます。 これはシャントレギュレータのノイズですな。まあ許容範囲内という事で。 【次回の話】 ディスクリートI/Vコンバータについて書きます。アナログAMP部ですな。 【注意事項】 実験は自由ですが、当方の検討結果とか考案の回路を勝手に採用しないで下さい。 記事を鵜呑みにせずご自身で実験評価して下さい。当方は一切サポート致しません。 以上です。
by ca3080
| 2013-09-21 11:22
| オーディオ&電子工作
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