DACのアナログ追求③SPDIF入力回路の検討

これもデジタル信号を扱いますが、紛れもないアナログ回路ですな。



投稿した翌日に気付きましたが±0.25Vp-pとか書いちゃってました。(爆)
±0.25Vまたは0.5Vp-pが正解です。よって本文の該当箇所を修正しました。
皆さんもこの様な表記の間違いにはお気をつけ下さい。


【光レシーバについて】
SPDIF光レシーバについては専用IC化されているので特に困る事はありません。
当方はエバーライト製のPLR-135を選択してみました。共立エレショップで購入。
伝送レートが16Mb/sです。電源電圧は2.4V〜5.5Vまで対応しています。
やる事としましては、
 *光レシーバICは電源ノイズに影響され易いと言われています。
  専用安定化電源を直近で配置すれば問題ありませんな。
 *光レシーバICは周囲からの電磁波ノイズに影響され易いと言われています。
  まあ銅箔テープでシールドして基板GNDに落としとけば問題ありません。
  シャーシと基板GND間の接続は最終的なノイズ検討の時に決定します。
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【同軸入力の標準回路を確認】
当方が悩んだ方は同軸入力の回路です。
よく見る方式は、74HCU04にNFBを掛けてバイアスする方式ですな。
デジットのDAIキットもその形式です。採用している機器も多いんでしょうか?
電源を5Vとし、前回の記事で使った信号源を使用して実験です。まずは1MHz。
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まあこれだけ見る分には正常に動作している様に見えます。
でもよく見ると、電源+5Vに対し3.46Vp-pしか出てきません。
また少しですが遅延も見られます。
次にサンプリング周波数192kHz対応という事で、15MHzを見てみます。
(15MHzを確認する話はパルストランスの記事を参考にして下さい。)
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エヘヘ。周波数を上げただけですよ。
周波数が高いとスルーレートの影響が出ますな。利得が全然足りません。
インバータなので反転してますから、もう1段直列にしてみましょう。
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こんな波形でもサンプルレート192kHzで動作はするでしょう。
ただ動けばOKですか? 高音質を求めて192kHzなんじゃないの?
この波形に同期してクロック信号を生成して大丈夫ですか?
まあ当方は192kHz動作の機器を持ってないので関係ありません。(爆)


【対策の壁】
当方の組み立てに問題があるのでしょうか? 定数が不適切?
そういう疑惑もありますので、ICのスペックを記載します。
TC74HCU04のデータシートから伝播遅延時間を調べてみます。
  Vcc=5V、CL=15pF、Ta=25℃、標準値
  TC74HCU04は   4ns  2段で8ns
この数値からすると、上記の測定結果は妥当という事ですよ?

それでは、高速化という事でTC74VHCU04はどうでしょう?
  Vcc=5V、CL=15pF、Ta=25℃、標準値
  TC74VHCU04は  3.5ns  2段で7ns
あーあ、大して変わらないや。(爆)

(ちなみにデータシートを見ると、CL=50pFの条件では Vcc電圧が高いほど
  高速動作ですな。そういう特性も期待して Vcc=5V で実験しております。)

そもそも水晶発振回路などに使用するHCU04だから波形が鈍るんですよ。
だったら普通の74HC04じゃ駄目なんかい?
当方の実験では、74HC04、74VHC04を使用すると発振してしまいます。
HC04は若干ですがヒステリシスがあって、それが発振の原因ですな。
マルチバイブレータ回路になってますな。(爆)
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【具体的な対応策】
 *2段接続じゃなくて、1段だけのバッファを探す。
   →たくさんありそうです。
 *±0.25Vをうまく受けて増幅できる回路。
   →前回のパルストランス検討によって、倍に昇圧しましたから、
    ±0.5Vをうまく扱えれば良い訳です。

それ以外に考慮しなければいけない点もあります。
入力のソースセレクタも必要ですな?
DAI自体のセレクタを使う、つまりマイコン制御した方が良い気もします。
それ以外には、
機械式スイッチで直接デジタル信号を切り替えるのはどうでしょう?
背面パネルのRCAジャックから、前面パネルまで配線し、
ロータリースイッチで切り替えて基板に配線する?
伝送インピーダンスが変化するのでリンギングが増大しますが宜しいですか?

アナログSW-ICも駄目っぽい。マルチプレクサの74HCT151も駄目。
超高速アンプICと高周波リレーの出番でしょうか?
その前に74VHCT125はどうでしょう?
つまり下図の回路となりました。詳細は下の方に再掲載します。
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74VHCT125はあと2回路余ってますので更に2入力が追加出来ます。
5Vを3.3Vに落とす所もうまく信号伝送路として利用出来ます。
R16Gはデジットのキット基板側に配置ですな。
安い部品で簡単に構成してみました。


【改善の効果】
さて、最小の投資で効果は如何程でしょうか?
ロジック回路が2段接続から1段に減った程度の効果でしょう。
でも波形を見ると結構マシになった感じがします。
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入力感度はどうでしょう? NFB不使用でうまく行きますでしょうか?
パルストランスも含めた結果で評価しましょう。
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これも問題無い様です。
これより低レベルでは受け付けませんが、そんなSPDIF信号は無いでしょう。
SPDIFの規格に適合した機器を接続すれば問題は生じません。
やたら高感度でもノイズを拾いますので丁度良いかも知れません。


【実際のSPDIF信号で動作確認】
チープな中華DVDプレイヤーからSPDIF信号をもらって波形を見てみます。
まずは74VHCT125の入力波形を確認です。
下図のトランス2次側波形がVHCT125に入力されます。
狙った1.4V程度にバイアスされています。
e0298562_9311130.png

次にバッファ経由しDAIに入力ですな。波形の立ち上がりが奇麗です。
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ついでに光レシーバの波形も掲載します。
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若干怪しい所がありますな。
次段の閾値は1.4V程度なのでクロスポイントとは合致しておりません。
これを調整した方が良い気もしますが、今回はやめておきます。
なぜなら、筐体が小さくて回路が入らないかも知れないからです。(爆)


以上でSPDIF入力回路を検討終了と致します。


【ブロック図と回路図】
とりあえず全体の構成に関わる不明箇所はほぼ無くなりました。
今回の結果を盛り込んでブロック図を作成しました。(クリックで拡大)
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SPDIF入力部の詳細回路図を掲載します。電源込みです。
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【次回の話】
アナログ部以外の電源とデジットのキットについて書いてみようと思います。


【注意事項】
実験は自由ですが、当方の検討結果とか考案の回路を勝手に採用しないで下さい。
記事を鵜呑みにせずご自身で実験評価して下さい。当方は一切サポート致しません。

以上です。








関係無い話ですが、頭の体操という事で。
TC74HCU04を例とします。データシートを見て下さい。
電気的特性、DC特性の欄です。 Vcc4.5V、Ta=25℃を見てみます。
入力電圧 Hレベル VIH  MIN3.6V
     Lレベル VIL  MAX0.9V
「この条件を満たさないと動作保証されないからNG」と言う人が居ました。
え? 何言ってんの?
それじゃSPDIFの±0.25Vは入力振幅が足りず動作しないですよ?
この条件を満足させる事が必要ならば、
CMOS水晶発振回路は動作しないので採用しちゃいけません。
マルチバイブレーターも動作しないため不採用でお願いします。
そんな話が本当だったら、
世の中の多くの機器は動作しない可能性が高いですよ!(爆)

そういう人が身近に居たら皆さんはどう対処しますか?
丁寧に基本から説明しますか?
まあ、そんな大先生とは関わり合いにならず、逃げるが勝ち。(爆)










2017.12.29追記。
9月から告知致しておりましたが、予定通りコメント蘭を削除させて頂きました。
今までコメント頂きました皆様には感謝申し上げます。ありがとうございました。





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by ca3080 | 2013-09-07 10:16 | オーディオ&電子工作
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