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デカップリングコンデンサの効果を測定

電源のコンデンサと配置に関係する実験です。電気の基本です。
200kHz以上の周波数では要注意という結果になりました。



【確認方法】
実際の電源はレギュレータの能力や負荷に依存する所がありますので、
そういう影響を排除して、簡易的に見てみる事と致します。
具体的には、APB-3を使用してネットワークアナライザで確認します。
電源回路なのでインピーダンスマッチングする必要はありません。
入力側は50Ωじゃなくて1MΩと致します。
デカップリングコンデンサの効果を測定_e0298562_208221.png

最初はこんなジグで実験しました。(爆)
デカップリングコンデンサの効果を測定_e0298562_2083813.jpg



【はじめの測定結果からわかった事】
色々なコンデンサについて、デカップリングの効果を比較してみます。
電解コンデンサ類の220uF程度の物を見てみました。(クリックで拡大)
デカップリングコンデンサの効果を測定_e0298562_2085813.png

*「水系」が判らない人は「コンデンサ 水系」で検索して調べて下さい。
*APB-3の出力インピーダンスに対して分圧回路を構成しますから、
 例えば20dBの減衰であれば、5Ω程度という事になります。
*周波数が低くなるにつれて上昇する左上がりの傾斜ですが、
 これはコンデンサの理想インピーダンスそのものです。
 インピーダンスZ(Ω)=1/(ω*C)=1/(2*π*f*C)
 計算結果に対し、実測減衰量から読み取った抵抗値が一致しますな。
 この部分は理論値どおりの結果です。
*問題は200kHzあたりから高域側が悪化している所です。
 これは電解コンデンサの特性でしょうか? さて、どうでしょう?

結論を書きますと、電解コンデンサの特性もありますがジグが駄目でした。

高周波を意識しなきゃいけない領域は、もっと高い周波数と思ってましたが、
200kHzくらいから測定結果に出るくらい影響するんですな。
作成したジグも最短距離15mmくらいで作りましたが、それでも駄目でした。
(ツイストすれば多少は良くなるのかな?)ちょっとナメてましたね。
ましてや、みの虫クリップなど笑止千万。


【測定法を改善してみる】
改善する手段として、こんなジグを作ってみました。(爆)
詳しい設計法はマイクロストリップラインで検索してください。
デカップリングコンデンサの効果を測定_e0298562_2092157.jpg

写真では0.1uFのセラチップを付けてみた状態です。
一応はリード線付き部品も挿せる様にしてみました。

さて、このジグを使用してショートの測定を行いました。
まずは低い周波数で、丸ピンソケットなども見てみます。
デカップリングコンデンサの効果を測定_e0298562_2094056.png

*200kHz以下の周波数は接触抵抗などの値であると思います。
*200kHz以上の領域で1608チップジャンパの特性と、銅線が逆転します。
 これは銅線のインダクタンスが影響してますな。
 数mmの短い線ですが、それが悪化の原因です。

次にMHz領域です。
デカップリングコンデンサの効果を測定_e0298562_2095895.png

横軸はMHzです。ショートだけどショートに成り切れず。(爆)
デカップリングCの配置も同じ様に影響するという話です。


【あらためて0.1uFを見てみる】
やっと評価出来る状態になりました。品種の差を見てみましょう。
デカップリングコンデンサの効果を測定_e0298562_20101853.png

デジットのDACキットに付属するコンデンサは駄目っぽいですな。(爆)
性能向上と言う観点からすれば、面実装部品が最良という結果です。
100uF以上は仕方無いのでリード線付きの電解となります。低インピーダンス品。
掲載はしませんが、チップ電解の方はあまり良くありません。
続いてセラチップの並列を見てみます。
デカップリングコンデンサの効果を測定_e0298562_2010351.png

単純な並列じゃ効果が薄かったですな。配置と基板が重要です。
基板もGNDプレーンである必要があります。
反共振の方は距離を離した事によるインダクタンス分の影響ですな。
また効果的な「両側2個」の方法は特許があるという話を読んだ気がします。
昔なつかしBrackGate-NXの超電解接続を思い出させます。(爆)
  *リード線付き0.1uFに対して、セラチップ0.1uF2個の組み合わせ。
   それぞれの減衰量を比較しましょう。あまりにも歴然です!


【違う組み合わせを見てみる】
次に違う品種や容量の組み合わせを見てみました。
270uF+3.3uF+0.1uF 組み合わせは一例であり特に意味はありません。
デカップリングコンデンサの効果を測定_e0298562_20111189.png

まあ、それなりに効果があるという結果が得られました。
反共振とかの悪影響が生じない組み合わせも出来ますよ、という話です。

※追記ですが、↓この資料23ページ以降も参考になると思います。
日ケミ 導電性高分子コンデンサApplication Note


【まあ結論とか?】
市販品などは売価が同じなら部品を削減しますな。
仕様やノイズ規格を満たしていれば、それ以上の過剰な部品は削除します。
1円だって削減です。10万台売れれば十万円が利益に還元されます。
企業のコピー用紙代とか、郵送費に回せますよ。(爆)
大メーカーの製品こそ、そのような部品削減がされています。

それに対して、わずかな性能向上に部品を投入出来るのが趣味の世界です。
でも、コンデンサを沢山付けても使い方によっては無意味かも知れません。
上記の手段によって効果的な使い方を検討する事ができる訳です。


記事を鵜呑みにせずご自身で実験評価して下さい。当方は一切サポート致しません。
最高に良いデカップリングの方法? 無責任に教えられませんな〜。(爆)

以上です。


















昨日の事ですが、あーっ。藤圭子が死んじまった。
去年に伊藤エミが逝った時より何かショックがでかいです。
更に前はえーと、日野てる子だな。
60年代末の当方は幼少でしたが、TVラジオに食いついてましたからね。
当時の歌謡曲とか洗脳と同じ状態で刷り込まれたのだろうと思います。(爆)
皆さんも幼少の思い出は大切に。

ここに哀悼の意を表します。


そういえばレコード持ってたな。
今晩聞いてみんべ。
デカップリングコンデンサの効果を測定_e0298562_20114081.jpg

by ca3080 | 2013-08-23 20:35 | 電子工作(一般)
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