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ヘッドフォンアンプ④試作機完成

お陰様で今回は音出しまで完成しました。世界初公開の回路を使用。(爆)
こいつを実験機にして色々な音質検討をやっていく訳です。



2SC1815,2SA1015一発ですが、発熱も少なく8Ωスピーカーも鳴らせます!
こんな感じにまとまりました。

【組み立て状態の説明】
ヘッドフォンアンプ④試作機完成_e0298562_940429.jpg

右側が空いているのは、プリアンプとか電子ボリュームを実験する予定です。
配線材はビニル線禁止です。ビニル線は付帯音があって酷いです。
ここは高音質ワイアを使用しておきます。配線材はそのうち記事にするかも?
ウェスタンエレクトリックのブラックエナメル綿巻き線とか良いですな。
本当の所はWEと同等に近い音という、そんな気がするワイアを使ってます。
基板は下図の様に部品を交換出来る仕様で作ってあります。
ヘッドフォンアンプ④試作機完成_e0298562_941436.jpg

出力プラグがシャーシにネジ止めされる箇所がアースポイントになります。
銅箔テープは出力プラグの辺りのアースですな。後は入力へのGND配線です。
シャーシに対して高周波的に容量結合っぽくなります。

【変更点と回路図】
・最大の変更点は、当方考案の新規回路を盛り込んだ箇所です。
 NPN側のシングル出力なんで普通なら上下非対称の歪みになります。
 良く言えば真空管みたいな2次歪みがある訳です。
 でも新規回路で対策しました。音も良くなる様ですし。
ヘッドフォンアンプ④試作機完成_e0298562_9454466.png

 動作は出力電流に応じた局部帰還ですな。Q4のIcが増えるとIbを増やす。
 動きをサポートする様に能動的に働く。パワードスーツかお前は?(爆)
 オペレーターがQ3で、ロボットスーツがQ2,Q4ですかね?
 前代未聞と思います。しかも禁断の正帰還ですよ。(爆)
 R3=R4が良いみたいです。R3がデカいと効き過ぎで逆に悪化します。
 お約束で書いときますが、当方の考案なので真似しないで下さい。(爆)
・最終的に下図の回路になりました。(別ウィンドウで拡大すると便利。)
ヘッドフォンアンプ④試作機完成_e0298562_9482850.png

・写真の1W酸金抵抗(1Ω)は現時点では薄膜3216チップ抵抗に変更してます。
 入力バイアス抵抗R1(560kΩ)はニッコームです。変更する可能性があります。
・出力段アイドル電流ですが、2SC1815,2SA1015を使用した状態では、
 5mA〜10mA程度です。他のトランジスタ使用時は確認調整が要ります。
・出力段Q3にメタルキャンTrなどを使用してみたいんですが、
 経験上、メタルキャンTrの内部と外側ではかなりの温度差が生じる様です。
 よってメタルキャンTrに補償ダイオードをくっ付けても熱暴走するっぽい。
 対策として、補償用ダイオードは2個ともPNP側から熱をもらいます。
 2個入りダイオードD2に変更してQ4にくっ付けます。
 (その代わり、Q4はメタルキャンTrにする事が難しいですな?)
 温度補償的には前々回に書いた1SS196使用の方が敏感で良いですよ。
・OP-AMPの電源電圧ですが、当初は±2.5Vにしていました。
 これはpop音を気にして変動電圧の範囲(電源電圧)を押さえました。
 ですけど逆効果で駄目でしたな。±4.5Vに変更します。
 多くのOP-AMPは電源電圧が低いとオフセットが増加する様ですな。
 特にTL072とか完全にNGレベルでした。
・出力にC負荷対策でゾーベルネットワークを付けました。
 手持ちのTrを色々変更する予定がありますので、色々とC負荷を
 試しましたら、220pFくらいで発振するTrの組み合わせがありました。
 対策としてC5,R11を付加します。定数は暫定です。

【オフセットとPOP音】
オフセット電圧はOP-AMPの品種に依存する様です。
個々のバラ付きもあると思います。大差無いですな。
NJM4580D  +0.2mV,+0.6mV
NJM5532D  +1.4mV,+10.5mV
LF353N   -1.4mV,-0.4mV
TL072CP  -2.7mV,-0.8mV
AD712JN  +0.3mV,+0.5mV
FET入力タイプが良い訳でもなく、4580が結構良かったりしました。
オフセットはテスターで計れますから色々試すのも良いでしょう。
(音質には差が出ないと思いますが、そのうち確認してみますよ。)
POP音の音はOP-AMPの差がありませんでした。
どれも気にならないソフトな音です。回路形式による結果だと思います。

【パワードスーツの効果】
じゃあパワードスーツ(爆)ってどのくらい効くの?
という訳で実証してみます。歪み率を測定してみました。
下図が前々回のQ2を定電流にした測定結果。(定電流ドライブ方式)
その下の図がQ2をパワードスーツ化した測定結果です。
ヘッドフォンアンプ④試作機完成_e0298562_9561614.png

ヘッドフォンアンプ④試作機完成_e0298562_956255.png

はっきりと歪み改善効果がありますな。
※測定用ハードウェア:M-AUDIOのTransitUSB  もう売ってません。
       それに、10dB増幅器と可変抵抗を外付けしてます。
※測定用ソフトウェア:DSSF3を使用し測定しました。
歪んだ波形がどうなってるか、演算機能付きのオシロで見る事が出来ます。
下図の方法で測定できますよ。
ヘッドフォンアンプ④試作機完成_e0298562_9592974.png

その方法を使用して、歪みの改善変化を見てみます。
下図がシングル出力の上下非対称の歪み。
その下の図がパワードスーツ(爆)で対象形に改善した波形です。
ヘッドフォンアンプ④試作機完成_e0298562_1011812.png

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はっきり改善効果が見えますな。発振等も無しでした。
パワードスーツ(爆)の音質ですが、
混濁感や平板な音が改善する感じがしますよ!
(もちろん音源とプレイヤー、ケーブル、ヘッドフォン自体は
 厳選しないと駄目ですよ!)

【その他の特性】
無負荷時の歪み、セパレーション、残留ノイズを掲載します。
無帰還なのに結構良い値ですな。
特にDC/DC電源使用で下図の低ノイズは良いでしょう!
ヘッドフォンアンプ④試作機完成_e0298562_1023929.png

※セパレーション差し替え(2013.03.29)
TransitUSBのセパレーションが加算されていましたので再測定しました。
基準チャンネルと測定チャンネルを別々に計り直しました。
良過ぎる結果ですが何回も確認し直しましたので間違いはありません。
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ヘッドフォンアンプ④試作機完成_e0298562_1031391.png

こんな感じで特性は良好です。発熱も少ない。

【現状の音質】
自己満足かも知れませんし、手前味噌という状態かも知れませんが、
すでにOP-AMPじゃ実現出来ないレベルに達している気がします。
だけど、まだ音質部品は投入していません。これから更に良くなります。
ちなみに定電圧回路には2SC2120と2SA950を採用していますが、
早くも悪い音だと判ってしまいました。
皆さんも不採用にして下さい。(爆)

【注意事項】
上記を真似して作らないで下さい。当方は一切サポート致しません。
爆音で鼓膜を痛めちゃうよ。耳から血が出ちゃって難聴になるかも!(爆)


音質検討には相当な集中力を使うんで消耗するんですよね。
次の投稿は時間が必要かも知れませんな。
以上です。
by ca3080 | 2013-03-16 10:41 | オーディオ&電子工作
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