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オーバーハング調整

オーバーハング調整に使う「水平トラッキングエラー確認ジグ」を作ってみました。





レコードプレイヤー備え付けのアームを使いまして、
推奨のシェルを使うならば、メーカー推奨値に合わせるというのも方法でしょう。
付属のオーバーハング・ゲージを使って推奨値に合わせればOKですな。







【水平トラッキングエラーを確認】
しかし色々といじくり回す場合には困った事になります。
ゴムのシェルリングを外しただけで0.5mmくらい変わってしまいます。
付属のオーバーハング・ゲージじゃ対応不能な訳ですな。

どうしよう? オーバーハングが最適じゃないと音が濁ったりするかも?
という事で、オーバーハングを決める目安として
水平トラッキングエラーを確認すれば何とかなる訳です。









【水平トラッキングエラー確認ジグ】
当方が使用していたものは下図の物です。
厚紙に線を引いて作った自作品ですな。
オーバーハング調整_e0298562_19520835.jpg
この120mmの箇所に針を置いて、
縦線に対してシェルが平行かどうかを確認します。
オーバーハング調整_e0298562_19540117.jpg
これね、針先の位置が0.5mmズレたら、もう駄目なのよ。
そんなテキトーなやり方じゃ間違った結果になります。かなり影響します。
しっかり針先を合わせるのがコツですな。

とか何とか言っちゃって、
アンタね、こんな駄目ジグじゃ穴位置も直角もズレてるんじゃない?
誤差が大きそう。(爆)

コリャ駄目ですな。
新規に作り直してみました。(爆)










【ジグを作る】
まずは透明のプラスチック板です。
こんなパッケージの商品が売られていますが、その透明プラ板を使ってみました。
廃品利用ですな。(爆)
オーバーハング調整_e0298562_19561547.jpg
ある程度の大きさが必要になります。
具体的な大きさは、当記事を読み進めれば判るでしょう。
オーバーハング調整_e0298562_19571721.jpg
さて、これを適宜カットしまして、
穴を開けます。
レコード盤の穴径と同じく、φ7.2mmです。

リーマーを使ってちょっとづつ拡張しました。
オーバーハング調整_e0298562_19583842.jpg
だいたいφ7.0mmになったら拡張をやめます。
オーバーハング調整_e0298562_19593011.jpg
φ7.2mmのドリル刃で最終仕上げをして穴開けは完了です。
ドリル刃を直接手に持ってグリグリ回して切削しました。
ちなみに精度が必要なので、φ7.2mmのドリル刃を持っていないと作れません。
オーバーハング調整_e0298562_20001308.jpg
カスは掃除機で吸い取りました。

次は方眼紙です。コクヨの50枚綴り。これで直角も平行も完璧ですな。
ホームセンター等の文具コーナーにもあるでしょう。
トレーシングペーパーは使えません。透けない紙の方眼紙です。

方眼紙にガイド線を引きました。線を引かずに方眼の目盛りそのままでもOK。
オーバーハング調整_e0298562_20074950.jpg
エラーゼロポイントはアームの種類によって違います。
何かの有名メーカーの某アームなら、この値という事なんでしょう。
同じS字アームでも曲がり具合や長さで違いがあるでしょう。
ですからエラーゼロポイントは目安程度と考えた方が良いのではないでしょうか?

次ですが、方眼紙とプラ板を接着します。
両面テープを使用しました。ナイスタックですな。
オーバーハング調整_e0298562_20101925.jpg
穴位置を合わせる時は要注意です。今回の最も注意する所です。
透明のプラ板を合わせる時に影が重なって見えにくいかも知れません。
慎重に合わせて両面テープで固定しました。
オーバーハング調整_e0298562_20122612.png
不要な部分をカットして完成です。
オーバーハング調整_e0298562_20130148.jpg












【使ってみる】
ひとまずは、エラーゼロポイントの121mmに合わせてみました。
当方の奴では、
シェルの先からカートリッジが若干はみ出すくらいが最適ではないか?
と思いました。
まあこんな感じ。(真上から撮ってるつもりでも写真はズレちゃう御免。)
オーバーハング調整_e0298562_20152280.jpg

エラーゼロポイント以外の場所も確認します。
EP盤外周の83mmでは、若干ズレました。
オーバーハング調整_e0298562_20170001.jpg

さらに内周の66mmの位置でも同じくらい曲がっていますな。
しかし良好な範囲内かと思います。
オーバーハング調整_e0298562_20182505.jpg

そして最内周の54mmです。
ほぼ平行ですな。
オーバーハング調整_e0298562_20192712.jpg
以上の設定「シェルの先からカートリッジをほんの少し出す」ですが、
これはLP盤、12インチ盤の全体が良好な範囲に収まる様な、
そういう設定なのかな?と思います。












【こんな考えもできるかも?】
それでは、こんなのは如何でしょう?
当方はEP盤もけっこう持っているので、EP盤に特化した設定はできるのか?
ちょっとやってみました!

シェルの先からカートリッジを引っ込めるとダメダメです。やってみれば判ります。
しかし、シェルの先からカートリッジをけっこう出す設定なら良さそうです。
EP盤外周の83mmですが、上記のほんの少し出す設定よりも平行に近いです。
エラーが少ないと言えます。
オーバーハング調整_e0298562_20255914.jpg

そして66mmの位置ですな。
こちらはほぼ平行ですな。上記のほんの少し出す設定より優れています。
オーバーハング調整_e0298562_20281358.jpg

さらに内側ですが、60mmの所を掲載しておきます。
悪くはありませんな。
オーバーハング調整_e0298562_20285361.jpg

そして最内周の54mmです。
これは悪いですな。上記のほんの少し出す設定では平行でした。
オーバーハング調整_e0298562_20301765.jpg

しかしよく考えてみますと、
最内周54mmまで音溝が切ってあるレコードも少ないですな!
60mmくらいまで平行に近ければ問題無いのかも知れませんな。
EP盤専用のオーバーハング設定としては、これで良いのかも知れません。



ちなみに121mmの位置ではあまり良くありません。
この設定はLPには適しておりません。
オーバーハング調整_e0298562_20325986.jpg
EP盤専用のオーバーハング設定とかいう話は
他ではあまり見かけませんな。当方からの提案です。

EP用&LPの内周用にひとつ。LPの外周〜中ほど専用でひとつ、
シェル+カートリッジを交換できる、というのも少々贅沢。(爆)
リニアトラッキングとか面倒だし、これでいいや!(爆)







ちなみに方眼紙の裏側ですが、
こういう表を書いておけば便利かも知れません。
オーバーハング調整_e0298562_11540924.jpg










記事の内容は鵜呑みにせず、何が最適なのかはご自身で判断願います。
自己責任にてお願いします。

以上です。


















by ca3080 | 2017-03-10 21:14 | オーディオ&電子工作
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