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某機の改造⑨測定結果

作りっぱなしは良くありません。必ず測定します。最後の〆です。




理論値は回路設計中に計算しておくものですな。消費電力に余裕が必要ですな。
そして作ったら測定ですが、
測定の基本中の基本は端子電圧の確認ですな。
部品の印可電圧が理論値通りになっていない場合は回路設計から見直しです。

未確認のまま火事になっても自己責任です。
測定ミスも判断ミスも自己責任。電子工作はキビシイ。(爆)








【振幅の確認とf特】
最初は正弦波から。振幅を見てみました。
0dB(2Vrms)、10kHzの正弦波です。PCMとDSDを比較しました。
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*振幅はほぼ同じですな。無問題。
*DSD2.8Mの方は少しノイズが乗っていますな。DSDの仕様ですな。

次はLch/Rchのレベル差です。全く同じですな。無問題。
某機の改造⑨測定結果_e0298562_839041.png


ここからRchだけ周波数を上げていきまして、
10kHzに対する減衰量を見てみました。
20kHzで-0.64dBでした。
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40kHzで-2.34dBでした。
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63kHzで-8.11dBでした。つまり-3dBポイントは50kHzあたりという事ですな。
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80kHzで-14.2dBでした。
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そして95kHzで-15.7dBでした。ビート(うなり)が生じています。
ビートはサンプリング周波数の折り返しで生じます。フルーエンシー型に近い?
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これらの結果から周波数特性を描く事ができます。こんな感じでした。
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*IV変換回路のLPF特性と、DACのデジタルフィルタ両方の影響があります。
*無問題。







【ホワイトノイズ再生のスペクトル】
ホワイトノイズを再生しても、おおまかなf特を見る事ができます。
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*レベルが-20dBなのは計測に使用したAPB-3の入力レベル制限のためです。
 APB-3に0dB(2Vrms)の信号を入力するのは入力オーバーです。
*某機にはバグがあります。(爆)
 サンプリング周波数を192kから96kに下げるとおかしな結果(緑)になります。
*96k(茶)と192k(ピンク)のグラフですが、櫛形でディップがあります。
 これは例のアト" ハ" ンスト" ALӠ2フ° 口セッシンク"でしょう。
*95kHz以下の周波数では上で測定した正弦波のf特カーブと同じ結果ですな。
 96kHz以上の測定は正弦波ではできませんが、ノイズを再生すれば出来るかも?
 という事ですな。
*デジタルフィルタとIV変換回路のLPFを合わせると、
 ほぼ-80dB/decの減衰量になる様です。

ホワイトノイズの測定をUSB接続で行いましたが、
SPDIF接続で測定したら違う結果となりました。下図です。
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*44.1kの結果は変わりませんが、96kの結果が異なっています。
 デジタルフィルタの動作が違うという事ですな。これもデ社さんの仕様でしょう。







【インパルス再生】
ホワイトノイズの他に、インパルスでも同じような測定が可能ですな。
一般の普通のデジタルフィルタならば差は出ないと思いますが、
この某機はアト" ハ" ンスト" ALӠ2フ° 口セッシンク"なので、結果も異なりました。
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*インパルスとホワイトノイズで反応が違うんですから凄いですな。
 どうやって選り分けて特性を切り替えるのかはデ社さんのノウハウでしょう。

次はインパルス再生の波形です。
某機の改造⑨測定結果_e0298562_98650.png

*こんな感じでリンギングがありません。
*IV変換回路のLPFもうまく動作してリンギングが大きく発生しない様ですな。
 ポスト・リンギングはアナログLPFの影響ですが、無視できる範囲でしょう。







【20kHzの再生スペクトル】
怪しい歪等が生じていないかの確認です。
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*レベルはAPB-3の入力制限により-20dBです。
*信号-14dBVに対して、3次高調波が-85dBVなので差が70dBくらいですな。
 APB-3の歪も含まれる値になりますが、0.03%です。
 異常な結果ではないという事がわかった、という話です。

これをDSDその他と比較してみました。クリックで拡大可。
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*PCM192kの時に折り返しが出てますが、これはfoobar2000の影響なのか?
 使ったパソコンも古いですし、ファイル再生時の問題かも知れません。
 まあ聞こえないし。
*やはりDSD2.8Mは可聴周波数範囲の雑音も増えるんですな。
*DSDのノイズもほどよく減衰できている様です。







【小信号再生】
わかりやすい様に44.1k 16bitをMMEドライバで再生してみました。
これは普通のCDやDACと同じ結果です。理論通りに階段波になります。
まあノイズに埋もれず波形の観測ができますよ! という話です。
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次は同じ条件で、ASIOドライバorSPDIFを使った再生です。
さすがはアト" ハ" ンスト" ALӠ2フ° 口セッシンク"ですな。
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【歪率】
「歪率 対 出力レベル」とても良い結果です。
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「歪率 対 周波数」低音も高音もあまり変わらず、ほぼ横ばいです。良いですな。
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【SN比、クロストーク】
S/N=112dB
定電流回路の追加などで悪化すると思いましたが、悪化もなく良かったです。
ハムノイズも乗っていません。
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クロストークも良いですな。90dBくらいは取れています。ハムも無し。
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【広帯域ノイズ】
前回に50MHz以下のノイズを最終検討しまして、結果を掲載しました。
下図はその上の周波数帯ですな。市販の状態よりだいぶ良くなってます。
背面RCA出力端子です。サンプリング周波数を変えてもほぼ同じ。
異常発振なども無し。
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【POP音、ミュート】
電源ON時に生じるPOP音対策を入れましたが、その再確認ですな。
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*問題ありません。狙った通りの動作です。

下記は電源OFF時です。こちらは改造前のミュートが効いています。
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こんな感じで問題はありませんでした。
性能もそこそこ良さそうです。
外から見ても改造機には見えない所は利点なんでしょうかね?
欠点かも? 穴を開けて窓を作った方が良いんかな?

デ社さんから後継機が発表されましたが、
手前味噌ですが当方の改造機は勝てる気がしますよ。(爆)






いやー寒い時期になってまいりました。
コタツに入って測定は出来ませんから一段落ついて良かったです。(爆)









記事の内容は鵜呑みにせずご自身で実験評価して下さい。
そして当方はめんどくさいので一切サポート致しません。(爆)
以上です。















by ca3080 | 2016-11-13 10:36 | オーディオ&電子工作
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