AKG K712の改造①

K601、K701などのシリーズは構造が同じかも? Q701も同じですな。
有名なヘッドホンです。




音質を確認する用途にはこの程度の奴なら何とか使える感じがします。
このシリーズは開放型なので音漏れします。
外界からの音も聞こえちゃいますから屋内用ですな。




【音質の問題点】
K712はそこそこの音と言われている様ですな。モニター用。
プロが使っているという話も聞きますが? まあ落語家もプロですし?(爆)
当方の感想はですな、すごく良いと言う程でも無い様な、
そして使いこなし的にも癖があって扱いがめんどくさい。(爆)
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(2016.04.10追記。2010年頃のMacBookProです。新しいMacは判らん。)

低音が薄いです。パンチが無いのは開放型だからでしょうか?
K712は中高音も繊細で高い方までよく出てはいるんでしょうが、
何かイマイチ艶が無いと言いますか響きがつまんない。楽しめない。(爆)

下図の左はATH-A500X改造品。右がAKGのK712です。
ATH-A500Xは密閉で、K712は開放型ですから基本のキャラクターは異なります。
ボーカル帯域の表現力などは「ATH-A500X改造品」の方が勝ってます。(爆)
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つまりATH-A500Xは元が安いですし改造も大成功で効果的だった訳です。
7000円が改造によって4万円クラスを超える音になった、な〜んつって。(爆)

さて、K712にはケーブルが2種類付属しています。
もしも、この2本のケーブルの音質差が判らなかった場合がありましたら、
この先に進めません。(爆) それじゃ修行が足りねーんで御座いますよ。
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DACとヘッドホンアンプを良い物に変えて、音質差が判る様になりましたら、
以下にお進み下さい。(爆)

ちなみに、
*黒のカールコードの音質は、ヌメッとした滑らかな艶が乗ります。人工的。
 それと同時に平べったい奥行きの無い音です。まさにビニールの音ですな。
*レンガ色のケーブルの方が素直で良い音ですが、カサカサ音が目立ちます。
けっこう判り易いと思います。




【K712改造のメニューとf特】
改造方法も単純な方法では駄目でしたが何とかイケる様になりました。
効果的な方法が見つかりましたので備忘録として残しておく事にしました。
下記の改造を行います。

①リケーブル :脱着可能に改造します。Lch,RchのGNDを極力分離します。
②ターミネータ付加 :ケーブル終端に音が良くなるグッズ(爆)を付けます。
③中高域のカスレ感を改善 :ニス塗布など。
④低音の量感をアップ :シール剥がしの技がネット上でも知られています。
 しかし実は問題もあるので色々な箇所の合わせ技で何とかまとまりました。
⑤鳴きや共鳴の抑制 :切断、穴あけ、塞ぎ、糸巻きなどなど。

①②③は今回の記事に記載します。
④⑤は次回に投稿します。

これら改造を実施する前にヘッドホンのf特を測定して残しておきたいと思います。
グラフの見方とか測定方法は前回の記事をご参照。
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一部だけ実施しても駄目で、全部が組み合わさって何とかまとまったかも?
安易な挑戦はおやめ下さい。大手術です。(爆)




【分解のポイント】
まずはフタを開けます。工具が無いのでピンヘッダを差し込んで回します。
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次に中カバーですが、
下図の部分を指で押しながら引っ張り気味にするとスキマが出来ます。
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開いたスキマにマイナスドライバーを突っ込んで、テコの原理で押し上げます。
カチューシャの2本のレンガ色の棒バネに食いついてます。力加減に注意ですな。
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次にカチューシャですがビス1本で外れます。
内部配線は交換しますから切断しますが極性が判る様に短く残しておきます。
カチューシャが外せたら、ドライバーを抑えている留め具のビス4個を外します。
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ドライバーが見えました。取り付けの方向性をメモしておきます。
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更に組み立てするポイントとしてポッチがあります。
ポッチの位置を間違えるとドライバーのエッジ部分がゆがみますので要注意。
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難しいシールは実験中。




【リケーブル可能に改造する】
ミニXLRコネクタを4ピンに交換する方法を公開されている方も居られますが、
当方は左右それぞれ別のコネクタを付けてY型ケーブルにしようと思います。
コネクタはミニジャックです。
Lch側ですが、元々のミニXLRコネクタを壊します。中だけを抜きます。
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Rch側は新設しなければなりません。ミニジャックに合わせて切り取ります。
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こんな感じで追加します。
これらを接着剤で固めます。接着面はザラザラに傷を付けます。
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ホーロー用のエポキシボンドですな。これでスキマを完全に埋めます。
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固まるまでクランプで押さえる必要があります。ボンドが付かない様にテープ。
固まると強度があります。固まった後に白い色を黒マジックで塗ります。
はみ出た所は固まった後にカッター等で削ります。
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次に音が良くなるグッズを作ります。特殊ターミネータですな。
抵抗値はドライバーのインピーダンス62Ωに近い68Ωにしてみました。
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ボンドも固まった様ですので、特殊ターミネータを取り付けします。
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次はドライバーの配線です。ワイアはPEWのφ0.55です。綿紐を被せます。
ピンソケットじゃなくて、ジャンパーピンを使いました。極性も判り易い。
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ピンヘッダにちゃんと刺さるか確認しておきます。転ばぬ先の杖。
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ドライバーの配線を交換して、組み立ててみました。
組み立て時にはポッチに注意ですな。シーソーと留め具をはめてビス4個絞め。
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中カバーを取り付けます。ドライバーからの配線(ジャンパーピン)もバッチリ。
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白ボンドは黒く色を塗りました。




【カチューシャを改造】
カチューシャから飛び出た端子が邪魔なので折り取ります。
ニッパー等では無理でした。ヤスリで傷を付けてから折りました。
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次に刺状の部分はヤスリで滑らかに削ります。
それ以外に、
カチューシャそれ自体がカンカン鳴きますからダンプしようと思います。
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*レンガ色のチューブを少し引っ張ってバネ棒にシリコンボンドを塗ります。
 ここはセメダインスーパーXかな? 20mℓのやつなら500円くらいです。
 L/R両方に塗ったら引っ張ったチューブを元に戻します。乾燥まで半日。
 変な所に垂れちゃったら可動部が動かなくなるのでアロンアルファ禁止。(爆)
*黒い樹脂の部分もカタカタするので固めます。ここはアロンアルファですな。
 垂れない様に注意です。




以上はリケーブル可能にするための改造です。
Y型ケーブルは好きな様に作れば宜しい。色々作って交換して楽しめます。





【ニス塗り】
ドライバーの振動板にセラックニスを塗る事で艶のある音になります。
セラックニスは高級楽器にも使われ、良い響きを引き出す塗料なのです。
和信ペイント 木のヤニ止めニスを使いました。
アルコール系なので振動板のフィルムを溶かさないセラックニスです。
これを面相筆で塗ります。
塗り始めはフィルムに定着し辛く弾いちゃいますが
数十秒くらい塗り回していると定着します。 筆洗いはアルコールで。
  和信ペイントのセラックニスですがリンク先が消滅した様ですな。(爆)
  オーテクの時もそうでしたがセラックニスは絶滅傾向なんですかね?
  とにかく本物のセラックニス(シェラックニス)が必要です。
  アルコール溶剤の物に限定です!!
  変な物を使いますと振動板フィルムが溶けますから注意!(爆)
  2016.01.16 緑文字で追記。


さて、
はじめはドーム部だけに塗ってみましたが駄目でした。効果が薄いですな。
それでエッジ部にもニスを塗るんですが、それでも何かイマひとつ。
ドーム部のフィルムが柔らか過ぎるみたいです。
う〜ん、
ドーム部を支える鉄骨みたいな構造が必要ですな。
強化するための材料は、非常に強くてしなやかで軽くなければなりません。
その目的に見合う物は、超高強度繊維です。ダイニーマを使いました。
同じ太さのピアノ線より8倍の引っぱり強度があるらしいですから。(爆)
具体的には釣り糸です。(爆) 0.8号〜1号くらいですな。φ0.15くらい。
魚が食い付くアタリの震動が手に取るように判るやつですな。減衰しにくいから。
引っ張っても伸びないし、鋏でも切りにくいです。

まあセラックニスを塗って、半日くらい乾燥したらまた塗って、2回塗り。
次の段階でダイニーマ糸を十字に乗せまして、ニスを塗ります。3回目の塗り。
完全に乾燥する前の少々べたついた所に糸を乗せれば作業し易いと思います。
それが乾燥しましたら4回目のニスを塗りまして、下図の状態です。
センターが少々ズレていますが気にしない。(爆)
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和信ペイントのセラックニスは完全に乾くまで1日以上掛かる様です。

ダイニーマ糸を付けたらドーム部を押しても凹まなくなりました。
ボイスコイルで生じた音声震動も空気圧に負ける事なく楽に駆動できるでしょう。





けっこう長くなったので続きは次回。


記事の内容は鵜呑みにせずご自身で実験評価して下さい。
そして当方はめんどくさいので一切サポート致しません。(爆)

以上です。




ちなみにAKGのK77は改造には向きません。ちょっと安物すぎです。
基本構造が難しいですな。うまい改造ポイントが無さそうです。(爆)
まあ当方の妄言なので信じないで下さい。









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by ca3080 | 2015-09-05 13:19 | オーディオ&電子工作 | Comments(0)
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