D級アンプTPA2006D1 その②

前回はやっと測定できる所までたどり着きまして、今回はその続きです。




品物は秋月の TPA2006使用 超小型D級アンプキット です。
前回までの回路図はこんな感じ。
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【PWMノイズ再確認】
前回の最後にPWMノイズ、スイッチングノイズについて掲載しましたが、
よく観察してみますと波形クリップ付近で生じる現象でした。
スペックは1%歪出力時に1.15Wですから、0.7W程度なら無問題でした。
下図はRchのみ出力レベルを下げた時。
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2dB下げれば問題ありません。
もうちょっとよく観察して掲載すべきでした。




【周波数 対 歪】
前回に掲載した歪の測定グラフは「出力電圧 対 歪」でした。無問題でしたな。
下図は出力を一定にして(クリップして歪む直前のレベルで固定して)、
周波数を変化させて測定した結果です。
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データシートと比較しますと300Hz以下で悪化しています。
まあ基板実装済みのキットですから、何かあるのかも知れません。




【周波数特性】
まあ低周波数の歪みが悪い理由はすぐに判りました。
もっと早く見ておくべきでした。
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落ち過ぎです。

キット付属の説明書を読みますと入力カップリング容量が6800pFになってます。
え? 6800pF?
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まったく、何でこんな高い所でカットしてるんでしょう?
やっぱりインタホン用のキットなんでしょうか?

1uFのB特性に変更しました。まあ実験なのでセラチップです。
手が焼けちゃうよ。(爆)
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あ〜あ、当然ですがf特は改善しました。
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【改めて、周波数 対 歪】
f特が治ったので、おかしかった低周波数の歪を再確認してみました。
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まともになった様です。データシートのグラフと比較しても遜色ありません。
他の特性には変化がありません。
まったく苦労しちゃうよ!(爆)




【更なる歪の改善は可能か?】
ここの部分は非常に時間を取られました。まあ試行錯誤を色々実行した訳ですな。
効果があったのは入力部のGND接続点を変更する手法です。
この手法と関連技法は過去記事に掲載しました。→引き回しとレイアウト
今回は歪率の改善という形で効果が得られました。
回路図の変更箇所は下図です。
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たったこれだけの変更です。
入力GNDの基準電圧をLch/Rchの分離する根元に持って行く訳ですな。

そして基板は下図の感じ。
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以上の変更を施しまして、改善した測定結果が下図です。
未変更が緑と橙、変更後が青と桃ですな。データシートより良い結果です。(爆)
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サラッと記載しましたが、
ここまでに余計な試行錯誤を行い時間が掛かりました。
これ以上他をいじくっても実際の測定結果に反映する改善は得られませんでした。



【スタンバイ・スイッチを設ける】
電源のON/OFFですが、5VのACアダプタをON/OFFする方式はNGでした。
それをやりますと、OFF時にC31,C32が徐々に放電する途中で異音がします。
「ピキッ」とか言う発振音です。かなり耳障りです。
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これの回避策は電源ON/OFFにシャットダウン端子を使用する事です。
まあ具体的には回路図に下図の変更追加を致します。
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シャットダウン時の消費電流はスペックによりますと2μA以下と記載があります。
全く問題ありませんな。


このままケースに組み込めばアンプとして使えるでしょう。




【おまけの実験】
ふと気付いた事ですが、こんな物も駆動できます。
17PM-K044ステッピングモーターですな。
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電源5V÷5.6Ω=0.89A  なので定格電流0.9Aにピッタリです。
普通はパルス駆動で使いまして、回転がガクガクします。
これを正弦波駆動する実験をやってみようと思います。

接続はAとBの位相を90°ずらす必要がありますが、ん?
面倒なので色で合わせました。(爆)
壊れる物でもあんめぇ。
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そしてパソコン(オーディオインターフェイス)から正弦波を送り込めば回るはず。
こんな設定としました。
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ふーん。WaveGeneを使い上記の設定ですと、Lchの位相が90°進む訳ですな?
周波数100Hzを変更しますと回転数を変更できます。
レベル-6dBは当方の環境でD級アンプがノンクリップ最大となる値です。
  これを-12dBとかに下げちゃうと回転させる磁気エネルギーが不足します。

スイッチオン! ワン、ツー、スリー!
しまった変身する所だった。(爆)
ヤッター回転中! 低速回転も非常に滑らかです。正弦波駆動成功!
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パソコンからの正弦波を停止すればピタッと止まります。
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ちょっと悪酔いでした。(爆)





次回③に続くと思います。


記事の内容は鵜呑みにせずご自身で実験評価して下さい。
そして当方はめんどくさいので一切サポート致しません。(爆)

以上です。
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by ca3080 | 2015-05-23 11:47 | 電子工作(一般)
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