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恥ずかしいタイトルですが計算式だらけです。(爆)
今回はセイレン・キーLPFをやってみました。オマケLPFも有り。



基本的なRCフィルタ、LCフィルタは→前回の記事

foとQの式を利用するだけなら他のサイトへどうぞ。(爆)
まあ当方の5月病対策で頭の体操です。

セイレン・キーLPFを自分の力で解く事が出来るなら、
参考書にも載っていないフィルタ回路からも公式を作れます。
HPFや他の回路については必要な人がご自身で挑戦される事でしょう。(爆)



【セイレン・キーLPFの回路から伝達関数を求める】
まあ誰でも知っているお決まりのフィルタ回路です。
OP-AMPを使うフィルタ回路の最初に出てくるやつでしょう。

まずは回路図を書きまして、各部の電圧を適当に入れます。下図の感じですな。
求めるのは出力÷入力の式ですが、V2というのが邪魔ですな。
このV2を除去するために、まずはV2=□□□□ の式を求めます。
R2とC2の部分は分圧回路になっていますので、それを利用しました。
e0298562_7544391.png

次に入力と出力の関係を一つの式にします。各部の電流を使いました。
それぞれの部品に流れる電流を考えます。
e0298562_81163.png

簡単に済みそうな式を採用します。(爆)

これを一つの式にまとめます。入力電流=各部の電流を足した物 ですな。
その式を最終的には Vo/Vi の式に整理しますが、V2が邪魔です。
式を整理する前にV2を消します。先に求めた①式を代入します。
e0298562_892068.png

これで伝達関数の式ができました。
伝達関数のSをjωに置き換えて、両辺を絶対値にすれば周波数特性を描けます。
具体的には前回の記事に書きました。今回は2次関数で面倒ですから実行しません。
位相特性のグラフも求める事ができます。
詳しくはフィルタの参考書に書いてあります。



【セイレン・キーLPFのfoとQを求める】
伝達関数を元にして fo と Q の値を求めてみます。
foは遮断周波数(カットオフ周波数)、Qは肩特性ですな。
2次関数のお決まりの形がありまして、伝達関数をその形に変形しますと
ある部分はωoを意味する式となり、ある部分はQを示す式になります。
e0298562_8161862.png

ωo=2πfo という式もお決まりの置換ですな。詳しくは参考書。(爆)
e0298562_8211493.png

セイレン・キーLPFのfoを計算する公式が求まりました。
Qの式も出してみます。
e0298562_8232093.png

ヤッター出来た。(爆)   なるほどね、R1=R2じゃないと意味無いのね。



【シミュレーターで見てみんべ】
確認する程の物ではありませんが、意外な側面がありますので見てみます。
本当は回路を組んで実行するのが良いんでしょうが面倒なのでシミュレーター。
上記で求めたfoとQの式を使って、1kHz Q=0.7 のフィルタを設計し、
周波数特性を確認しました。
e0298562_8282669.png

Q=0.7 が赤線のグラフです。fo では-3dB。10倍のfoでは-40dBですな。
青線のグラフはC4だけを変えた場合です。foとQの両方が影響を受けます。
そして問題は…100kHz以上の減衰域が怪しいですな。
これは何でしょう?(爆)

セイレン・キー回路の限界です。減衰しないフィルタなんで御座います。(爆)
バッファ回路の出力インピーダンスは理論上はゼロでしょうが、実際は違います。
OP-AMPでもTrで組んでも、どっちも似た傾向です。
DACのポストフィルタに採用するのはやめた方が良いんじゃない?(爆)
e0298562_8372391.png

解決できる方法は上図に示した様に、もう一つバッファを設ける事です。
コストアップですが効果絶大ですよ。




【本に載っていない回路に挑戦】
まあセイレン・キーが解けたんだから2次フィルタなら何とか。
本に載っている回路ですとカンニングができますから、なるべく違う回路で。(爆)
見掛けない回路ですが、誰かさんが発案済みかも知れません。
具体的にはBPF回路をもじって、出力端子を変な所からもらってみました。
FDNR(frequency dependent negative resistance)っぽい回路です。
FDNRモドキLPFと致します。
e0298562_8483717.png

利点はフィルタを通過する信号がDCフリーな事です。
欠点はVoのインピーダンスが高い事ですな。
この回路は上図右みたいに分圧回路としてとらえる事ができます。



【FDNRモドキのインピーダンスを求める】
インピーダンスZを求めます。
これも各部の電流の式を使います。そしてまたもや邪魔なV2が出て来ます。
その辺の考え方はセイレン・キーを求めた時と大差はありません。
e0298562_8544282.png

出来ました。



【FDNRモドキLPFの伝達関数を求める】
先のインピーダンスZを使って、R2と分圧回路になっているだけですな。
e0298562_8564154.png




【FDNRモドキLPFのfoとQを求める】
やり方はセイレン・キーと一緒です。
ちょっと途中で面倒臭くなってきまして、C1=C2=C に略しました。
その点は当方の負けですな。(爆)
e0298562_8594932.png

まあ何とか公式を作る事ができました。
C1=C2=C にしたのでシンプルに収まりました。



【計算通りのグラフになるか確認】
求めた公式を使ってFDNRモドキLPFを設計しまして、
シミュレータで周波数特性グラフを描かせて評価してみます。
fo=1kHz、Q=0.7 でやってみました。
e0298562_925036.png

fo では-3dB。10倍のfoでは-40dBですな。ちゃんと2次フィルタになってますよ。
シンプルでおもしろいフィルタ回路ですな。
役には立たないけど。(爆)




【FDNRモドキLPFの発展系】
2次フィルタは出来たけど3次は出来るのか?
fo=1kHz で確認してみました。
3次フィルタで最大平坦特性(バタワース型)とするには、
Q=1にする、と参考書に書いてあります。(爆)
e0298562_910308.png

出力インピーダンスが高いのでR3の値を大きくしないと厳しい様です。
上図の下側の回路はまあお遊びで考えてみました。
  これは回路的には面白そうですが、減衰量がNGですな。

少々劣化しますが。OP-AMPじゃなくても行ける様です。
e0298562_93681.png

Q1のコレクタ電圧が Vcc/2 近い適当な定数設定ができれば動くでしょう。




フィルタの計算式を初心に戻っていじくってみました。
ここまでならば何とか忘れずに済んでいる様でした。
フィルタの計算式の話は今回で終わりです。



とんでもない間違いがあるかも知れません。
記事の内容は鵜呑みにせずご自身で計算評価して下さい。
そして当方はめんどくさいので一切サポート致しません。(爆)

以上です。
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by ca3080 | 2015-04-25 09:46 | 電子工作(一般) | Comments(3)
Commented by X Underbar at 2015-04-26 11:20 x
ca3080さん、こんにちは、ご無沙汰しております。
X Underbarです。

ca3080さんの技術レベル(電気と数学、酒のツマミ)の高さを感じております。
電子回路の教科書に成りそうな内容で、これは保存版ですね。
勉強になります。(^-^)/
Commented by ca3080 at 2015-04-27 06:42
X Underbarさん、恐れ入ります。ビス穴があったら入りたい。当ブログは趣味なんで、抜け道や近道を使いテキトーです。結果オーライ至上主義。(爆)
場面ごとに取捨選択、再検証頂ければと存じます。

閲覧中の皆様、X Underbarさんのお名前の所をクリックしてみて下さい。
Commented by ca3080 at 2017-08-15 07:43
記事の内容とは関連の薄い個人的な近況報告のコメントを頂いて居りましたが、
承認欲求の様な内容は目障りという意見がありまして削除させて頂きました。
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