SW電源ACアダプタのノイズ対策②

性能確認と、具体的な対策です。作成した4コイルの基板を使いました。



今回の記事だけ読んでも無意味です。前回の記事を先にお読み下さい。


【フィルタの減衰量を測定する】
電源フィルタの性能をネットワークアナライザで確認致します。
ネットワークアナライザを使えば誰でも同じ条件で測定できます。
データの再現性があるという事ですな。
しかし、
ネットワークアナライザはインピーダンス50Ωで測定しますが、
ACアダプタの出力インピーダンスは50Ωよりもだいぶ低いでしょう。
実際の使用状況と違うけど確認としては使えるという事ですな。

という事で下図の様な接続で確認致しました。
同じフィルターを作れば誰でも同じ測定結果になるでしょう。
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測定結果は下図です。
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*それなりにコモンモード特性もある様です。
*ノーマルモード特性の方はスイッチングノイズの帯域にピッタリです。
 減衰量はかなり取れており十分に満足できそうですな。

ちゃんと機能しており問題なさそうという事が判りました。



【ACアダプタのノイズ確認方法】
ノイズの測定方法です。
ノーマルモードノイズならオシロでリプルを見る方法も可能でしょう。
コモンモードノイズは確認方法が特殊です。
  コモンモードノイズをオシロで見る事は可能ですが、
  オシロで測定する事はお勧め致しません。
  測定器や配置、プローブの長さや容量、100Vコンセントの状態など
  色々な要素が絡み合って再現性がありません。

そういう事なので、下図の様にLISNを使う方法が良いんじゃないでしょうか?
普通の使い方とは違う接続ですが、これで測定できますよ。(爆)
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 (LISNの作成と使い方に付きましては過去記事「DC/DC電源のノイズ対策」を
   ご確認下さい。)

*負荷は色々と確認した方が良いでしょう。
 多くのACアダプターは無負荷だとノイズが少ない様です。
 ここでは5Vに対して10Ωの負荷をつなげました。
 500mA流れますからUSB規格と同じですな。

*LISNは+側とGND側両方を測定できますが、
 今回の記事はGND側のノイズだけを掲載しています。
 +側もGND側も似た様な波形になる事が多いですな。



【具体的にコモンモードノイズを測定】
対象となるACアダプタを決めましょう。当方の使用頻度が高い物という事で、
秋月で売っている5V 4A出力、NT24-1S0540にしました。

さて、秋月ACアダプタのコモンモードノイズ性能ですな。
まず高い方から見てみます。
1GHz〜3GHz領域にはノイズも無しです。(掲載は控えます。)
下図は0〜1GHzです。
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横軸1目盛りが100MHzです。30MHz以下の領域にちょっと出てますな。
という事で、下図は0〜100MHzに集中して見てみた結果です。
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まあ50MHz以下の周波数帯を確認すれば良い様です。
以上は未対策の確認ですが、50MHz以下を見れば良いならAPB-3が使えますな。



【作成したフィルターの効果を見る】
スペアナをAPB-3に取り替えて、コモンモードノイズを見てみます。
更に、作成したフィルタの効果も見てみましょう。
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*マゼンタ色の波形は未対策。それに対して濃紺の波形がフィルタを使った波形。
 けっこう効いてるんじゃない?

でもよく見ると3MHzあたりが悪化する感じもあり、
15MHz近辺は効果が足りません。
何が原因か探ってみましたら、ACアダプタの出力ケーブルが長いので、
そこから放射しているっぽい?
まったく困っちまうよ。



【フィルタで取れないノイズを対策する】
ACアダプタの出力ケーブルから放射するノイズ!
これを直接的に対策するには、出力ケーブルを短くブッた斬る!(爆)
作成したフィルタ基板をACアダプタの根元に入れれば効果的という事です。
ですが今回は遠慮します。

今回の記事は「ノイズフィルタを作成する!」ではありませんし、
フィルタだけで何とかしようとするのは間違いです。
まあ具体的にはクランプコアの下図の物を追加しました。(爆)
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これはTDKのZCAT3035-1330です。データシートも見つかるでしょう。
けっこう有名です。店により価格も色々なので検索して探せますな。
正体不明の形ばかりの三流品を使うのは性能も不明で効果が無いかも?
特性がはっきり判っていて、信頼性の高い物をつかう。これに尽きます。

このZCAT3035-1330をACアダプタ出力ケーブルにはさみます。
フィルタ基板に加えて、ACアダプタの根元側に4回巻きではさみました。
その結果が下図です。
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*濃紺の波形がフィルタ基板オンリー。
 オレンジの波形はフィルタ基板+フェライトクランプ。
*気になっていた帯域に、ちゃんと効果を示しました。
 良いんじゃない?

そんな訳でですな、
クランプコアを使うのはフィルタの効果を見た後で入れよう!
という事で御座います。

測定風景は下図の感じです。CDトレイで浮かしてます。(爆)
当方のLISN裏側は銅テープとアルミテープで導通を確保しています。
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【ノーマルモードノイズを確認する】
次は普通のノーマルモードのノイズです。
測定方法は簡単で、下図となります。
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*カップリングを入れるのは測定器の保護のためです。
*負荷に0.1uFを並列にしていますが普通は入れません。
 まあ当方の作る機器は電源入力端子に0.1uF程度が付いているので
 実施してみました。

まずは秋月ACアダプタのノーマルモードノイズを確認します。
未対策でどの帯域に出ているかですな。
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3MHz以下の低い領域に出ています。

という事で測定帯域を5MHz以下に集中して、フィルタの効果も見てみました。
まずはフェライトクランプを使用せず、フィルタ基板だけの場合です。
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*マゼンタ色の波形は未対策。それに対して濃紺の波形がフィルタを使った波形。
 かなり効いてるんじゃない?
*まあ3.7MHz近辺にちょっとピークが2つ生じてますな。
 これは例の出力ケーブルの影響です。

次はフェライトクランプ追加です。
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*気になった場所のピークが無くなりました。
*でも3.2〜3.3MHZあたりに盛り上がりが?(爆)
 まあフロアノイズも盛り上がっていた帯域です。
 測定系の影響っぽいですな。

んー、面倒くさいので記事としては良しとします。(爆)




【オシロでも見てみる】
ノーマルモードノイズはオシロでも確認できます。
負荷無しは良さそうに見えますが、負荷をかけると盛大にノイズが見えます。
まずは未対策。発振器かおまえは!というくらいに出ますな。(爆)
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フィルタ基板を使用すると下図となります。
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*レンジが違うので注意です。
*スペアナで確認した時には70dBくらいの効果を確認できましたが、
 オシロだとそうでもありませんな?
 1/100くらいなので40dBです。

という事で、オシロの時間軸を5μsから5msにして見てみました。
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やっぱりコンセント周波数のリプルでした。
100Hzのリプルはスイッチングノイズではありません。
今回のフィルタ基板としましては対象外の低い周波数帯ですな。
まあ大容量の電解コンデンサでも付ければ改善するでしょう。



【その他】
以上で話は終わりなんですが、少々記載しておきます。

①見た目の話。
今回作ったフィルタ基板は下図の様な見た目です。
ユニバーサル基板も再生ジャンク基板です。(爆)
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他人様に見せても絶対に信じてもらえないでしょう。あまりにもボロい。(爆)
しかし、当記事のとおり狙ったノイズに対しては有効に機能しています。
狙っていない100Hzのリプルに対しては効果がありません。
つまり、狙う帯域や効果の範囲を明確にして設計すれば、
最低限のボロい部品でもちゃんとした物が出来るという話です。
見た目に騙されない様にしましょう。(爆)

そして性能確認の手段は当記事に書きました。
市販品を入手した場合も性能確認したいですな。
この記事をご参考にして頂ければ、フィルタの性能差を比較評価出来ます。
メーカーさんは駄目性能がバレない様にしましょう。(爆)


②入れ物の話。
フィルタ基板を収容するケースはプラスチック製の物を推奨します。
なぜならば、下図の様な事が起きるかも?
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ちゃんと判っている場合でも影響を確認測定する必要がありますな。


③USBの話。
USB用として使うには、電源とは別に信号線があります。それをどうするか?
まあ下図の手段が考えられますな。
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当方は作成致しませんのでご興味がある方はご検討下さい。
作ったら性能確認をお忘れなく。(爆)




【注意事項】
記事の内容は鵜呑みにせずご自身で実験評価して下さい。
そして当方はめんどくさいので一切サポート致しません。(爆)

以上です。









第47話
加賀屋から家に戻ったおしんはド貧乏の父兄から年季奉公で女給の仕事を紹介されるのであった。危篤の姉は事情を知っており、女給は嘘で本当は女郎屋だから逃げろとアドバイスしたのである。大切な家族のためにがんばってきました。女給の仕事も仕方無いのでしょうか?

父→無能社長。兄→社畜先輩。姉→過労死寸前の同僚。女郎屋→地獄の出向先。
いや〜教訓ですな〜。(爆)








おしんは家族を捨てて逃げたんです。
家族はどうなったの?ばんちゃんと母ちゃんは? 詳しくはDVDレンタルで。(爆)
東京に逃げて姉の夢だった髪結いの仕事をするため弟子入りしたんですな。
その後の献身的な努力や人柄が功を成して独り立ち出来た訳です。
ピンチをチャンスに転換したんですな。
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by ca3080 | 2014-11-22 13:31 | 電子工作(一般)
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